旅先で買った切符を、財布に入れて持って帰りたい。そう思って改札に近づいたのに、自動改札がガシャンと飲み込んでしまって手元に何も残らなかった——これ、鉄道旅あるあるのトップ3に入る後悔です。しかも一度飲み込まれた切符は、原則として戻ってきません。
先に結論を言います。切符の持ち帰りは、自動改札に入れる前に、有人改札で「記念に持ち帰りたいです」と伝えるだけで成立します。JR各社は使用済みの乗車券類を原則回収としていますが、申し出があった場合は券面に「使用済」「無効」の押印などの証明をして、穴を開けたうえで渡す取扱いを公式に案内しています。裏ワザでもグレーゾーンでもなく、公式サイトのFAQに書いてある正規ルートです。
ただし、何でも持ち帰れるわけではありません。渡してもらえない券種が4種類あり、駅や時間帯によっては対応してもらえないケースもあります。この記事では、持ち帰りの手順、断られる条件、JR6社の違い、そして2027年春に迫る磁気きっぷ廃止で何がどう変わるのかまで、公式情報だけを根拠にまとめました。
✅ この記事でわかること
✓ 改札で何と言えば切符をもらえるのか、正しい手順と順番
✓ 持ち帰りを断られる4種類のきっぷと、その理由
✓ JR6社で違う無効印・穴あけの流儀と入場券料金の比較
✓ 2027年春のQR乗車券化で紙のきっぷがどう変わるか
切符の持ち帰りは「原則回収」でも申し出ればもらえる

ルール上は回収、運用上は渡してくれる
使用済みの切符は、規則上は鉄道会社が回収するものです。旅客営業規則の第165条には「乗車券は、旅客が途中下車できない駅に下車したときなどに該当する場合は、その後の乗車については無効として回収する」とあり、あなたの手元に残る前提では書かれていません。切符はあくまで運送契約の証票なので、使い終わったら会社に返すのが本来の姿というわけです。
ところが実際の運用は違います。JR東日本は公式FAQで「使用後の乗車券類は原則として回収しておりますが、お持ち帰りになりたい旨のお申し出があった場合には、券面に『使用済』『無効』の押印等の証明を行い、穴を開けてから、お渡しします」と明記しています。つまり「回収が原則、申し出があれば渡す」という二段構えです。
ここが大事なポイントで、黙っていれば回収され、言えばもらえるという構造になっています。駅員さんの側から「記念に持って帰りますか?」と聞いてくれることはまずありません。改札を通る側が言い出さない限り、切符は回収箱行きです。「言わなきゃ損」という言い方は雑ですが、実態としてはその通りです。
根拠を確認したい人は、JR東日本の公式FAQ(旅行の記念にきっぷをいただくことはできますか)を見ておくと安心です。出張の証明として勤務先に提出したい場合も、同じ扱いで受け取れます。
渡される切符は「無効」処理された状態になる
持ち帰りを申し出ると、切符はそのまま返ってくるわけではありません。券面に「使用済」または「無効」のスタンプが押され、さらに穴あけパンチで穴を開けた状態で渡されます。これは再利用や払いもどしといった不正を防ぐための処理で、この処理を経ていない切符は駅から出せない、という考え方です。
穴を開けるのには実用的な意味もあります。磁気券は裏面の磁気層に情報が記録されていますが、物理的に穴が開くとその情報が読めなくなり、自動改札機を通せなくなります。スタンプという「見た目の証明」と穴あけという「物理的な無効化」の二重構えになっているわけです。
気になるのは「穴だらけにされて記念にならないのでは」という点ですが、開けられるのは基本的に小さな穴が1つだけです。券面の日付や区間、経由といった、あとで見返して価値のある情報はきちんと残ります。逆に言えば、この処理を嫌がって「穴を開けないでほしい」と頼むのは筋が違います。無効化は渡すための条件だからです。
JR東日本の穴あけパンチは、ただの丸穴ではありません。東北・北海道新幹線の「はやぶさ」でおなじみのE5系新幹線電車をデザインした形の穴あけパンチが、管内共通で使われています。持ち帰った切符に小さな新幹線の形が抜けている、という寸法です。
「持ち帰れる=厚意」という前提を忘れない
ここは記事の中でいちばん強調しておきたいところです。規則では回収と決まっているものを、鉄道会社の判断で渡してくれている。この構造を理解しているかどうかで、改札での振る舞いが変わります。
実際、JR北海道の案内は条件がはっきりしています。「係員が配置されている駅・時間帯に限り」という限定が公式に付いており、無人駅や無人時間帯は対象外だと明記されています。つまり駅員さんの手が空いていることが前提のサービスなのです。ラッシュ時の大きな駅で、後ろに行列ができている状況で頼めば、断られても文句は言えません。
おすすめの立ち回りは、降車後すぐに改札へ向かわず、ホームや通路で人の流れが落ち着くのを1〜2分待ってから有人改札に行くことです。特急や新幹線が到着した直後は改札に人が集中します。その波をやり過ごすだけで、駅員さんの対応も丁寧になりますし、スタンプの位置を相談する余裕も生まれます。
自動改札の手前でやるべき3つのこと
ステップ1:改札に近づく前に切符を手に持つ
持ち帰りの成否は、改札に着く前にほぼ決まっています。というのも、切符を持ち帰れるかどうかの分岐点は「自動改札に入れたか、入れていないか」だからです。入れてしまった瞬間に、その切符は機械の中の回収箱へ移動します。
だから最初にやるべきことは単純で、降車したらポケットや財布から切符を出し、手に持った状態で改札へ向かうことです。ICカードを使う癖がついていると、無意識に自動改札のレーンへ足が向きます。手に切符を持っていれば、その無意識のルートを一度止められます。
新幹線から在来線に乗り換えるパターンでは、さらに注意が要ります。乗り換え改札では特急券が回収され、乗車券だけが出てくる仕組みなので、特急券を記念にしたい場合は乗り換え改札の時点で申し出る必要があります。最終目的地の改札まで持って行っても、特急券はもう手元にありません。
降車したら切符を手に持ち、自動改札のレーンに入らない
駅員さんのいる有人改札(きっぷ確認窓口)へ並ぶ
「記念に持ち帰りたいです」と伝え、無効印と穴あけをしてもらう
ステップ2:有人改札で使う一言は10文字ちょっとで足りる
窓口で何と言えばいいのか。答えは「このきっぷ、記念に持ち帰りたいのですが」の一言で十分です。長い説明も、理由の説明も要りません。駅員さんはこの申し出を日常的に受けているので、それだけで無効印と穴あけの処理に入ってくれます。
言い方で1つだけコツがあります。切符を差し出すときに、渡し切らずに券面を上に向けて見せる形にすることです。完全に手放してしまうと「回収でいいのだな」と受け取られる可能性があります。見せながら申し出る、という所作にしておくと意思が伝わりやすくなります。
スタンプを押す位置を指定したい場合は、このタイミングで「余白のこのあたりに押していただけますか」と伝えます。券面には区間・経由・発売日といった情報が印字されているので、そこに重なると読めなくなってしまいます。ただし混雑時は無理を言わないこと。位置の相談は、余裕がある駅・時間帯だけにとどめるのが大人の対応です。
ステップ3:もし自動改札に入れてしまったら
⚠️ 失敗パターン①:習慣で自動改札に投入してしまった
状況:旅行の帰り、下車駅で「記念に取っておこう」と思っていたのに、いつもの通勤の癖で自動改札に切符を入れてしまった。
原因:切符をポケットに入れたまま改札へ向かい、判断のタイミングが「投入する直前」しかなかったこと。
対策:まずその場を離れず、近くの駅員さんに事情を話す。回収済みの切符を返してもらえる保証はないが、直後であれば対応の余地がある。次回からは「降車したら切符を手に持つ」を先にやる。
自動改札の回収箱に落ちた切符は、その日の分がまとめて処理されるため、あとから「あの切符を返してください」と言っても特定が難しくなります。だからこそ、気づいた瞬間に動くことが唯一の手です。改札を離れてから戻るのと、その場で言うのとでは可能性がまったく違います。
無人駅や無人時間帯で降りる場合も同じ考え方が使えます。無人改札のそばには、遠隔で駅係員とつながるインターホンが設置されていることが多いので、そこで事情を伝えれば案内を受けられます。運賃箱に入れる前に、ひと声かける習慣をつけておくと安心です。
渡してもらえないきっぷが4種類ある

補充式・定期券・団体券は最初から対象外
持ち帰りを申し出ても渡してもらえない券種が、公式に明示されています。JR東日本のFAQでは「補充式(手書き及び印刷)の乗車券類」「定期乗車券」「団体乗車券等」が対象外と書かれています。JR北海道も同じく、手書き乗車券・定期乗車券・団体乗車券を対象外としています。
理由はそれぞれ違います。補充式の乗車券は駅で1枚ずつ書き起こす券なので、控えとの照合が必要になります。定期券は有効期間が残っていれば払いもどしの対象になりますし、期間満了後も再発行や不正利用の判定材料になります。団体乗車券は人数分の運賃精算の根拠そのものです。いずれも「会社側が持っていなければ困る書類」という共通点があります。
とくに定期券を記念にしたい人は多いのですが、これは仕組み上どうにもなりません。もし学生時代の定期券を残しておきたいなら、有効期間満了後に窓口で相談してみる価値はあります。ただし公式の対象外リストに載っている以上、断られる前提で聞くのが礼儀です。
乗り越し精算した切符も戻ってこない
4つ目の落とし穴がこれです。JR東日本は「ご利用のきっぷで乗り越しした際に、降車駅で精算をしたきっぷについては、精算金額の根拠とするため、改札にて回収させていただいており、お渡しすることはできません」と明記しています。精算した瞬間、その切符は会計書類になるわけです。
ここには回避策があります。目的地まできちんと届く切符を最初から買っておくことです。「とりあえず近くまでの切符を買って、着いてから精算すればいい」という買い方は、運賃こそ変わらなくても、記念に残す観点では損をします。旅の記念にしたい区間なら、乗る前に全区間の切符を買っておきましょう。
⚠️ 失敗パターン②:精算機を通してしまい回収された
状況:長距離の切符で目的地の1駅手前までしか買っておらず、下車駅の精算機で不足分を払った。差額のレシートは出たが、肝心の切符は精算機に飲み込まれた。
原因:精算したきっぷは精算金額の根拠として回収される、というルールを知らなかったこと。
対策:精算が必要になったら精算機ではなく有人窓口へ行き、先に「持ち帰りたい」と伝える。そもそも乗車前に目的地までの切符を買っておけばこの分岐に入らない。
「渡せる/渡せない」を一覧で押さえる
| きっぷの種類 | 持ち帰り | 理由・備考 |
|---|---|---|
| 普通乗車券(券売機・窓口) | できる | 無効印+穴あけのうえ渡される |
| 特急券・グリーン券 | できる | 乗り換え改札で回収される前に申し出る |
| 補充式(手書き・印刷)の乗車券類 | できない | 公式に対象外と明示 |
| 定期乗車券 | できない | 公式に対象外と明示 |
| 団体乗車券等 | できない | 公式に対象外と明示 |
| 乗り越し精算をしたきっぷ | できない | 精算金額の根拠として改札で回収 |

この表を頭に入れておくと、改札で駅員さんに断られたときも理由がすぐ分かります。断られたのは意地悪ではなく、会社側が持っていなければならない券だったから、というだけの話です。
JR6社で微妙に違う無効印と穴あけの流儀
同じ「持ち帰りOK」でも条件の書き方が違う
JR各社はどこも持ち帰りに応じていますが、公式の書きぶりを並べると温度差が見えてきます。JR東日本とJR東海は「お持ち帰りになりたい旨のお申し出があった場合には、券面に『使用済』『無効』の押印等の証明を行い、穴を開けてから、お渡しします」という形で、条件をとくに絞っていません。
一方、JR北海道の公式FAQは「係員が配置されている駅・時間帯に限り」という条件を明記しています。北海道は無人駅の割合が高く、時間帯によって駅員さんが不在になる駅も多いためです。北海道を旅するときは、降りる駅が有人かどうかを事前に見ておくと、持ち帰りの成否が読めます。
JR九州も、補充式の乗車券や定期乗車券、団体乗車券などを除いた乗車券類について、使用済みであることを表記しパンチ穴をあけたうえで持ち帰りを認めています。大枠のルールは6社共通、細かい条件は会社ごとに違うと覚えておけば実用上は困りません。
ガタンゴトン研究所調べ:JR6社の入場券料金と持ち帰り条件
切符の持ち帰りと切っても切れないのが入場券です。せっかくなので、JR6社の入場券料金と持ち帰りまわりの条件を1つの表にまとめました。料金はJR東海が公開している入場券のルールページの数値です。
| 会社 | 入場券(おとな/こども) | 持ち帰りの条件 |
|---|---|---|
| JR北海道 | 210円/100円 | 係員配置の駅・時間帯に限る |
| JR東日本 | 160円/80円 | 申し出があれば押印+穴あけで渡す |
| JR東海 | 150円/70円 | 申し出があれば押印+穴あけで渡す |
| JR西日本 | 150円/70円 | 係員のいる改札で申し出る |
| JR四国 | 190円/90円 | 係員のいる改札で申し出る |
| JR九州 | 200円/100円 | 対象外券種を除き押印+パンチ穴で渡す |
並べてみると、同じ「ホームに入って見送るだけ」でも、JR北海道の210円とJR東海の150円では料金が違うことが分かります。なお駅によって例外があり、新青森駅・東京駅・品川駅はおとな160円・こども80円、新横浜駅・小田原駅・熱海駅・甲府駅・上越妙高駅・児島駅・下関駅・小倉駅・博多駅などはおとな150円・こども70円と定められています。
入場券には2時間ルールがある
入場券を記念に買う人が見落としがちなのが有効時間です。JR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州の全駅では、入場券の使用時間が発売時刻から2時間以内と決められています。2時間を超えた場合は、超えた時間に対して2時間ごとに入場料金が加算されます。
ポイントは、2時間のカウントが「改札を通った時刻」ではなく「入場券を買った時刻」から始まることです。券売機で早めに買って待合室でのんびりしていると、ホームに立つ前に持ち時間を削っている計算になります。見送りで長く滞在したいなら、改札を通る直前に買うのが正解です。
また入場券は当日限りの発売で、列車に乗ることはできません。乗ってしまった場合は別に運賃を支払うことになります。記念に買って持ち帰るぶんには問題ありませんが、「入場券で1駅だけ乗る」は不正乗車です。詳しい条件はJR東海の入場券ルールページにまとまっています。
途中下車を使えば切符の持ち帰りは何倍も楽しくなる
101キロを超えると途中下車ができる
ここからは応用編です。切符を記念にする楽しみは、実は「無効印」だけではありません。旅の途中で押してもらえる途中下車印があります。1枚の切符に降りた駅のハンコが並んでいく——これが乗り鉄の間で長く親しまれてきた記念の作り方です。
途中下車ができるのは、片道の営業キロが101キロ以上の普通乗車券です。JR九州の案内では「101キロ以上の乗車券では、後戻りしない限り何回でも途中下車することができます」と明記されています。逆に、営業キロが100キロまでの普通乗車券、大都市近郊区間内のみの乗車券、回数券、一部の割引きっぷ、特急券・グリーン券・寝台券では途中下車できません。
旅客営業規則の第156条にも「旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によつて、その券面に表示された発着区間内の着駅以外の駅に下車して出場した後、再び列車に乗り継いで旅行することができる」とあります。途中下車は特例ではなく、規則で認められた権利だということです。

「切符の一筆書きって、結局どういうルールなの?」「本当に1枚で買えるの?」と検索してこのページにたどり着いた方、正解です。結論から言うと、同じ駅・同じ区間を2度…
有効期間が長いほど記念の切符は育つ
途中下車を重ねるには、有効期間の長い切符が必要です。有効期間は営業キロで決まります。JR東海が公開している計算式は「営業キロ÷200キロ+1日=有効期間(小数点以下切り上げ)」で、100キロまでと大都市近郊区間内のみの利用は1日です。
| 営業キロ | 有効期間 | 途中下車 |
|---|---|---|
| 100キロまで | 発売当日のみ | できない |
| 101〜200キロ | 2日 | できる |
| 201〜400キロ | 3日 | できる |
| 401〜600キロ | 4日 | できる |
| 601〜800キロ | 5日 | できる |
| 801〜1000キロ | 6日 | できる |
有効期間には初日が算入され、初日は時間の長短にかかわらず1日として計算します。夜に旅行を始めても、その日は1日分カウントされるということです。なお乗車中に有効期間を過ぎてしまった場合でも、途中下車をしない限り券面に表示された最終駅までは使えます(旅客営業規則第155条の継続乗車)。
大都市近郊区間の落とし穴に注意
東京・大阪・福岡・新潟・仙台の各近郊区間の中だけで完結する切符は、距離が101キロを超えていても途中下車ができません。途中で降りると、そのきっぷは前途無効として回収されます。記念に持ち帰るつもりで降りたのに、切符ごと回収されてしまうパターンです。
この5つの近郊区間は旅客営業規則の第156条で定められていて、東京近郊区間は熱海・黒磯・浪江・塩尻あたりまで広がっています。感覚的な「都心」より広いので、関東の中距離移動はほぼこの区間内に入ると思っておいたほうが安全です。
もう1つ、特定都区市内発着の切符も途中下車の制限があります。「東京都区内」「横浜市内」などと券面に書かれている切符は、その市内の駅で降りると前途無効です。市内の駅で記念に降りるつもりなら、切符の券面表示を先に確認しましょう。

新幹線のきっぷを買ったら、行き先が「東京都区内」になっていて戸惑っていませんか。結論から言うと、これは東京駅から片道201km以上離れた駅との間で自動的に適用さ…
最初から持ち帰る前提でつくられたきっぷもある
硬券入場券という選択肢
「無効印をもらうのはハードルが高い」という人に向いているのが硬券入場券です。厚紙でできた昔ながらのきっぷで、そもそも改札に入るためというより、買って持ち帰るためのアイテムとして扱われています。
青い森鉄道は2026年4月1日から、有人駅窓口での硬券入場券の正式発売を始めました。公式リリースには「レトロな手触りの硬券入場券は、旅の思い出としてお持ち帰りいただいたり、全駅の券面をコレクションしたりなど、改札内への入場以外の目的でもお楽しみいただけます」と書かれています。会社側が持ち帰りを前提にしている、という点が普通のきっぷと決定的に違います。
発売額はおとな160円で、小児用はありません。発売箇所は青森駅・浅虫温泉駅・小湊駅・野辺地駅・三沢駅・八戸駅の各駅窓口で、各窓口の営業開始時から購入できます。B型硬券の寸法は2.5cm×5.75cmと公表されています。なお青森駅窓口では「来駅記念券」を発売しており、こちらでは改札内に立入ることはできません。払いもどしもできないので、買う前に駅名を確認してください。
九州にも硬券入場券を売る鉄道がある
肥薩おれんじ鉄道も硬券入場券を発売しています。発売駅は八代駅・日奈久温泉駅・肥後田浦駅・佐敷駅・水俣駅・出水駅・阿久根駅・川内駅の8駅です。料金はおとな200円・こども100円で、こども用は右端の小児断片を切り離す方式になっています。
買い方には条件があります。各有人駅の窓口営業時間内での対面販売のみで、電話やFAX、現金書留での受付は行っていません。しかも各駅では当該駅の入場券のみの販売なので、8駅ぶんを揃えたければ8駅を実際に回る必要があります。これはこれで、旅の目的として成立します。
効力は通常の入場券と同じで、旅客車内に立ち入ることはできず、発売当日限り有効です。在庫は各駅に直接確認が必要で、大量購入時は数の制限がかかる場合もあります。旅程を組む前に、肥薩おれんじ鉄道の公式ページで最新の取扱いを確認しておくのが確実です。
🎯 裏ワザ
硬券入場券は「窓口の営業時間内・対面販売のみ」という条件が付いていることが多いきっぷです。早朝や夜間に訪れると窓口が閉まっていて買えません。旅程を組むときは、列車の時刻ではなく窓口の営業時間を先に確認して、その時間帯に着く列車を選ぶと空振りしません。
デジタルの記念スタンプも増えている
紙のきっぷ以外にも、旅の記録を残す手段は広がっています。JR東日本の「エキタグ」は、駅に設置されたNFCタグにスマートフォンをタッチしてデジタルスタンプを集めるサービスです。切符とは別に、駅を訪れた記録がスマホに貯まっていきます。
2026年6月1日の営業時間開始以降、山梨・多摩・武蔵野エリアの各駅で駅のスタンプ・エキタグスタンプが一斉にデザイン変更されました。旧デザインは2026年9月30日まで継続設置されるため、この期間は新旧どちらも押せます。デザインが切り替わる過渡期は、コレクションの観点では狙い目です。
同じ時期には、指定の3駅と対象エリア内から自由に選んだ5駅の合計8駅を巡るエキタグラリーも実施されました。紙の切符に無効印、駅のスタンプ帳に朱印、スマホにデジタルスタンプ——同じ1回の旅で3種類の記録を残せる時代になった、というわけです。
2027年春、磁気きっぷがQR乗車券に変わると何が起きる?
近距離きっぷの磁気券が姿を消す
紙のきっぷを記念にする文化は、これから大きな転換点を迎えます。JR東日本は2027年春に、近距離乗車券を磁気乗車券からQR乗車券へ置き換えると発表しました。磁気乗車券は順次廃止されます。2024年5月に首都圏鉄道8社が発表した方針に基づくもので、JR東日本だけの話ではありません。
いちばん分かりやすい変化はサイズです。従来の磁気乗車券は30×57.5mmでしたが、QR乗車券は57.5×85mmになります。QRコードをかざしやすくするための大型化で、面積はおよそ2.8倍。財布の定位置に収まらなくなる可能性があります。
改札の通り方も変わります。磁気乗車券のように投入するのではなく、改札機のQRコードリーダーにかざす方式です。投入しないということは、機械が切符を飲み込まないということでもあります。

「Suicaってなくなるの?」——そんな見出しをSNSやニュースサイトで見かけて、財布の中のカードを心配している方は多いと思います。結論から言うと、カードタイプ…
「かざす」時代に持ち帰りはどうなるのか
💡 ヒント
意外と知られていませんが、QR乗車券化は記念に持ち帰りたい人にとって追い風になる可能性があります。磁気券は自動改札に投入する構造だから回収されていたわけで、かざす方式なら物理的に回収する必然性が薄れるからです。裏面の磁気層がなくなることで、使用後のリサイクル処理における環境負荷が軽減するとも説明されています。
ただし現時点で、QR乗車券の使用後の取扱いが公式に確定して案内されているわけではありません。回収するのか、持ち帰り前提になるのか、無効化の方法はどうなるのか——このあたりは導入時期が近づくにつれて発表されるはずです。断定できるのは「投入方式ではなくなる」というところまでです。
逆に言えば、磁気券に無効印と穴あけをしてもらう体験ができるのは、今のうちということになります。裏面が茶色い磁気層の切符、パンチで抜かれた小さな穴、朱色の「無効」印。この組み合わせが標準だった時代は、あと1年半ほどで区切りを迎えます。
シーン別・記念に残すならどれを選ぶか
🔵 はじめての人・家族旅行
目的地までの普通乗車券を最初から買い、下車駅の有人改札で申し出る。精算を挟まないので確実です。子ども用のきっぷも同じ扱いで持ち帰れます。
🟠 じっくり集めたい人
101キロを超える長距離の乗車券を1枚買い、途中下車印を集めながら旅する。最後に無効印をもらえば、1枚で旅程まるごとの記録になります。
出張の証明として会社に提出したい人は、旅の記念とは別枠で考えると整理しやすくなります。JR東日本のFAQは「出張等の証明としてきっぷを勤務先に提出する必要がある際」も同じ扱いで渡すと案内しています。提出用と手元用の両方が必要なら、コピーを取っておくのが現実的です。
チケットレスで乗ることが増えた人にとっては、そもそも紙のきっぷが手元に来ません。えきねっとの在来線チケットレス特急券はスマホの購入履歴を提示して乗る仕組みなので、記念にしたい旅程だけは指定席券売機やみどりの窓口で紙のきっぷを受け取る、という使い分けが有効です。
まとめ:改札の1メートル手前で勝負は決まる
切符の持ち帰りは、鉄道会社が規則の原則を曲げて応じてくれている取扱いです。だからこそ、混雑していないタイミングを選ぶ、スタンプの位置を無理に指定しない、断られたら引き下がるという3つを守るだけで、駅員さんとのやりとりは短時間で済みます。次に長距離の切符を買うときは、乗る前に「これは持ち帰る」と決めておいて、降りたら真っ先に切符を手に持つ。それだけで、旅の記録が1枚増えます。
※きっぷのルールや料金は改定されることがあります。最新の情報は各鉄道会社の公式サイトでご確認ください。

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