東急9020系は全3編成だけの元・田園都市線2000系!9000系との見分け方と西武譲渡の今

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大井町線のホームで、オレンジの帯を巻いた銀色の5両編成がやってきた。乗ってみたら座席が緑色……。それ、もしかすると「東急9020系」かもしれません。見た目は9000系とそっくりなのに、中身は元・田園都市線の2000系という、ちょっと変わった経歴を持つ電車です。

先に結論を言うと、東急9020系は全3編成・15両しかいない大井町線の各駅停車用の電車です。2025年夏から始まった新型6020系への置き換えで数を減らしていて、9023Fは2025年7月9日の運用を最後に離脱し、2026年9月29日には西武鉄道への譲渡に伴うとみられる甲種輸送で長津田から八王子へ運ばれました。会えるうちに会っておきたい電車、というのが2026年10月時点の立ち位置です。

この記事では、9020系の生い立ちから、9000系との見分け方、スペックの比較、大井町線での走り方、そして西武鉄道での第二の人生まで、「9020系ってなに?」という疑問にまるごと答えます。鉄道ファンでなくても読めるように、専門用語はかみくだいて書いていきますね。

✅ この記事でわかること

✓ 東急9020系の正体と、全3編成しかない理由

✓ そっくりな9000系と一瞬で見分ける2つのポイント

✓ 9000系・6020系とのスペック比較(ガタンゴトン研究所調べ)

✓ 6020系への置き換えと、西武鉄道への譲渡の最新状況

目次

東急9020系とは?元・田園都市線2000系だった全3編成の5両電車

東急9020系とは?元・田園都市線2000系だった全3編成の5両電車の解説画像

正体は「名前を変えた2000系」です

東急9020系は、もともと田園都市線を走っていた東急2000系を改造して生まれた電車です。乗りものニュースの記事でも「9020系は元・田園都市線の2000系電車を改造した車両で、大井町線で使用されており、全3編成です」と紹介されています。

なぜ名前が変わったのかというと、大井町線に移るときに「9000系の仲間」として番号を振り直したからです。2000系は1992年に田園都市線向けに登場し、大井町線へ転属した際に9020系へ改番されました。9000系の「90」を受け継いで「9020」。つまり、番号を見るだけで「大井町線の9000系ファミリーの一員」だとわかるようになっているわけです。

運用されているのは東急大井町線で、用途は各駅停車。急行には使われていません。大井町線の各駅停車は5両編成なので、9020系も5両編成で走っています。

ぶっちゃけ、普段大井町線を使っている人でも「9000系と同じ電車」だと思っている人がほとんどです。見た目がそっくりなので無理もありません。でも、座席の色やパンタグラフ(屋根の上のひし形の集電装置)の位置を知っておくと、ホームで「あ、9020系だ」と気づけるようになります。見分け方は次の章で詳しく紹介しますね。

全3編成・15両しかいないのは「もともと3本しか造られなかった」から

9020系は3本・5両編成・合計15両しかいません。東急の電車としてはかなりの少数派です。

理由はシンプルで、元になった2000系が3本しか製造されなかったからです。乗りものニュースは「3編成のみの運用ですが、これはもともと、2000系が3本しか製造されなかったからでした」と説明しています。2000系は登場時、10両編成3本(30両)の陣容でした。それが大井町線に移るときに5両編成へ短くされ、9020系3本・15両になったという流れです。

編成番号は9021F・9022F・9023Fの3本。「F」は編成(Formation)の略で、先頭車の番号をとって呼ぶのが鉄道の慣習です。このうち9023Fは2025年7月9日の運用をもって大井町線から離脱しています。

3本しかないということは、大井町線の各駅停車に乗っていても、9020系に当たる確率はそれほど高くありません。同じ各駅停車用の9000系や、新型の6020系と同じ運用に入っているので、どの電車が来るかはその日次第。通勤でたまたま乗れたらラッキー、くらいの存在です。

大井町線では「各駅停車専用」として走ってきた

9020系は大井町線の各駅停車用として使われてきました。7両編成の急行には入りません。

大井町線は、大井町から溝の口までの16駅を結ぶ路線です。各駅停車は5両、急行は7両という2つの運行形態があり、9020系は5両編成なので各駅停車を担当しています。2000系時代は10両編成で田園都市線の渋谷〜中央林間方面を走っていたので、ずいぶん短い路線・短い編成に移ってきたことになります。

大井町線に来た当時の役割は、古参の8500系の置き換えでした。乗りものニュースによると、2000系は新型2020系によって田園都市線で置き換えられ、改造のうえ9020系となって「大井町線の古参8500系電車を置き換えた」とされています。押し出されて移った先で、さらに古い電車を押し出した、という玉突き人事のような経緯ですね。

各駅停車専用ということは、9020系に乗りたいなら急行ではなく各駅停車を待つのが基本です。二子玉川や自由が丘のように急行と各駅停車の両方が停まる駅では、ホームに来た5両編成のほうに注目してください。

💡 ヒント:「90」で始まる番号は大井町線の古株

大井町線の各駅停車で見かける「9000系」「9020系」は、どちらも新型6020系に置き換えられる対象です。車内の妻面(車両のつなぎ目の上)にある車番プレートが「90」で始まっていたら、置き換え対象の古株に乗っている、と覚えておくと楽しめます。

田園都市線の今の急行・準急の走り方については、こちらの記事でまとめています。2000系がかつて走っていた路線がどう変わったかがわかりますよ。

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9000系とどこが違う?緑の座席と4号車のパンタグラフで見分けるコツ

いちばん簡単なのは「座席の色」を見ること

結論から言うと、座席が緑なら9020系です。これがいちばん手っ取り早い見分け方です。

9020系と9000系は、外から見るとどちらも銀色のステンレス車体にオレンジ系の帯。前面の形もよく似ていて、ホームで一瞬見ただけでは区別がつきません。ところが車内に入ると話は別。乗りものニュースは「色が緑なら9020系、ボックス席があれば9000系です」と、ずばり見分け方を紹介しています。

この違いは、生まれた路線の違いから来ています。9020系は田園都市線の2000系として造られた電車なので、内装もその時代の田園都市線仕様。9000系はもともと東横線向けに1986年にデビューした電車で、別の設計思想で造られています。外見を大井町線カラーにそろえても、内装の「出身地」はそのまま残っているわけです。

実用的なコツとしては、ドアが開いた瞬間にロングシートの色をちらっと見ること。乗る前に判別できるので、撮影したい人も「9020系に乗れた」と記録したい人も、ドアの前で数秒あれば十分です。

ボックス席の有無で9000系を見抜く

逆に、ボックス席があれば9000系です。9020系にはボックス席がありません。

9000系の一部の車両には、ロングシートのほかに向かい合わせのボックス席が設けられています。一方の9020系は、田園都市線時代から通勤ラッシュを前提にした車両で、ボックス席なしのロングシート構成です。ファクトシート上も9020系の座席特性は「ボックス席なし」と整理しています。

なぜ9000系にだけボックス席があるのかは、9000系が東横線で走っていた時代の設計によるもの。9020系は混雑の激しい田園都市線向けに造られたので、座席より立ち客のスペースを優先した、と考えるとイメージしやすいと思います。

座席の色とボックス席の2つをセットで覚えておくと、ほぼ迷いません。「緑のロングシートだけ=9020系」「ボックス席がある=9000系」。ホームで待っているときに、ドア越しに車内をのぞいてみてください。慣れると、電車が止まる前の窓越しでも判別できるようになります。

外から見分けるならパンタグラフの位置

車内に入らずに外から見分けたいなら、パンタグラフの位置がポイントです。9020系は3号車にパンタグラフがなく、4号車に2基載っています。

乗りものニュースは「9000系との見た目の違いはパンタグラフの位置。9020系は3号車に設置がなく、代わりに4号車に2基設置」と説明しています。9000系は3号車にもパンタグラフがあるので、真ん中の車両の屋根を見れば区別できます。

パンタグラフは、架線から電気を取り込む装置です。どの車両に何基載せるかは、モーターを積んだ車両の配置や電気の回路の組み方で決まります。9020系は2000系として造られた電車なので、9000系とは回路の設計が違い、それが屋根の上の配置にあらわれているわけです。

撮影するなら、ホームの端から編成全体が入るように撮ると、3号車と4号車の屋根の違いがわかりやすくなります。5両編成の真ん中が3号車、その隣が4号車です。

🔵 9020系の特徴

座席は緑色/ボックス席なし/3号車にパンタグラフなし、4号車に2基/全3編成・15両

🟠 9000系の特徴

ボックス席のある車両がある/3号車にもパンタグラフあり/1986年デビュー/大井町線に全15編成

失敗パターン①:前面だけ見て「9020系に乗れた」と思い込む

よくある失敗が、前面の見た目だけで9020系だと判断してしまうことです。前面はそっくりなので、これはほぼ当てになりません。

たとえば、9020系に乗りたくて大井町線のホームで待ち、それらしい銀色の5両編成が来たので乗ってSNSに「9020系に乗った」と投稿したら、写真の車内にボックス席が写っていて9000系だった……という状況。原因は、9020系と9000系の前面デザインがほとんど同じで、帯の色もそろえられていることにあります。

対策は、前面ではなく「座席の色」と「3号車の屋根」の2か所を確認することです。車内に入ってから気づいても遅くないので、座席が緑か、ボックス席がないかを見てください。外から撮る場合は、3号車の屋根にパンタグラフがないことを確認すれば確実です。

もうひとつ確実なのは、運転台の横や車内にある車番プレートを見ること。先頭車の番号が9021・9022・9023で始まる編成番号なら9020系です。ただし9023Fはすでに大井町線を離れているので、今会えるのは残る2本ということになります。

⚠️ 注意点:前面のデザインでは見分けられない

9020系と9000系は前面の形も帯の色もほぼ同じです。判別は「座席の色(緑=9020系)」「ボックス席の有無(あり=9000系)」「3号車のパンタグラフ(なし=9020系)」の3つで行いましょう。

1992年デビューの2000系から9020系へ|田園都市線を離れた理由

1992年デビューの2000系から9020系へ|田園都市線を離れた理由の解説画像

1992年3月29日、田園都市線に2000系が登場

9020系のルーツである2000系は、1992年3月29日に田園都市線で営業運転を始めました。

当時の田園都市線は、沿線の宅地開発が進んで利用者がどんどん増えていた時期。輸送力を増やすために新しい電車が必要になり、そこで投入されたのが2000系です。編成は10両編成で、造られたのは3本(30両)だけでした。

ここで大事なのは「最初から少数派だった」という点です。少数派の電車は、のちに置き換えや転属の対象になりやすい。2000系もまさにその道をたどります。

スペックで見ると、2000系は全長20,000 mm、全幅2,800 mm、軌間1,067 mmという、首都圏の通勤電車として標準的な20メートル級の車体です。この基本の骨格は、9020系になった今も変わっていません。速度も設計上の最高速度120 km/h、営業での最高速度110 km/hで、ここも9020系に引き継がれています。

2020系の登場で田園都市線を離れることに

2000系が田園都市線を離れたのは、新型の2020系に置き換えられたからです。

2020系は2018年に田園都市線へ導入された新型車両です。2020系が増えるにつれて、古い電車から順に田園都市線を去っていくことになりました。少数派の2000系も置き換えの対象になり、廃車ではなく、改造して大井町線で使い続ける道が選ばれます。

ここが面白いところで、2000系はまだ使える状態だったので、編成を5両に短くし、大井町線向けに手を入れて再出発することになりました。そして大井町線では、さらに古い8500系を置き換える役目を担います。まだ走れる電車を別の路線で使い回すのは、鉄道会社にとってコストを抑える定番の手です。

大井町線へ転属したのは2019年。このとき形式名も2000系から9020系へ改められました。乗りものニュースは「9020系は1992年に田園都市線向けの2000系として登場し、大井町線へ転属した際に9020系に改番されました」と経緯をまとめています。

10両から5両へ、そして9020系に改番

転属にあたって、2000系は10両編成から5両編成に短縮され、9020系として生まれ変わりました。

理由は、大井町線の各駅停車が5両編成で運行されているからです。田園都市線の10両編成のままではホームにも運用にも合いません。そこで5両に組み直し、大井町線の各駅停車として使える形にしたわけです。結果として3本・15両の陣容になりました。

改番のルールにもちゃんと意味があります。大井町線の各駅停車用には9000系がいたので、その仲間として「9020系」。9000系の9001F〜とかぶらないよう、20番台を割り当てたイメージです。番号を見れば「大井町線の9000系ファミリー」だとわかるので、運用する側にとっても管理しやすい名前の付け方です。

実は、9020系は大井町線に来てから機器の更新も受けています。2025年に9023Fが離脱した際、鉄道ファンの間では「機器更新から僅か6年」での離脱が意外だと話題になりました。手をかけて使い続ける予定だった電車でも、新車の導入計画しだいで早めに引退することがある、という一例です。

1992年3月29日
2000系として田園都市線でデビュー(10両編成×3本)
↓
2018年〜
新型2020系の導入で田園都市線から置き換え
↓
2019年
5両編成に短縮し大井町線へ。9020系に改番
↓
2025年夏〜
6020系への置き換えが始まり、西武鉄道へ譲渡へ

スペックを数字で比較|9000系・6020系と並べてわかること

9020系の基本スペックは「標準的な20メートル級通勤電車」

9020系のスペックをひとことで言うと、首都圏でよく見る20メートル級の通勤電車です。全長20,000 mm、全幅2,800 mm、5両編成で走っています。

速度は、設計上の最高速度が120 km/h、営業で出す最高速度が110 km/h。加速度は3.3 km/(h·s)、減速度は3.5 km/(h·s)です。加速度の「3.3 km/(h·s)」は、1秒ごとに時速3.3キロずつ速くなる性能という意味。駅と駅の間が短い各駅停車では、この加速・減速の力が所要時間に効いてきます。

大井町線は大井町から溝の口までの16駅、駅間距離の合計が約12.5kmという短い路線です。駅と駅がぎゅっと詰まっているので、速度の上限よりも「すぐ加速して、すぐ止まれる」ことのほうが大事。各駅停車用として使われてきたのは、この性能が大井町線の走り方に合っていたからとも言えます。

軌間(レールの幅)は1,067 mmで、JRの在来線と同じ幅です。これは後で触れる西武鉄道への譲渡にも関わってくるポイントで、同じ幅のレールなら線路を通って車両を運べます。

ガタンゴトン研究所調べ:3形式のスペック比較表

大井町線の各駅停車で見かける3形式を並べてみました。9020系と9000系はほぼ同じ骨格、6020系は置き換え用の新型という関係が一目でわかります。

比較項目 9020系 9000系 6020系(各停用)
デビュー 1992年(2000系として) 1986年 2025年7月2日営業開始
全長 20,000 mm 20,000 mm 公式発表に記載なし
編成 5両×3本(15両) 5両×15編成 5両×18本(90両)
最高速度(営業) 110 km/h 110 km/h 公式発表に記載なし
座席 緑色・ボックス席なし ボックス席のある車両あり 背もたれの高いハイバック仕様
パンタグラフ 3号車なし、4号車に2基 3号車にもあり 1基(急行用7両編成は2基)
今後 西武鉄道へ譲渡予定 西武鉄道へ譲渡予定 大井町線の主力に

出典:東急電鉄ニュースリリース(6020系導入)、乗りものニュースほかをもとにガタンゴトン研究所が整理

9000系とは「双子に近いけれど生まれが違う」関係

表を見るとわかるとおり、9020系と9000系は全長・営業速度が同じで、ほぼ双子のような関係です。違うのは生まれた年と、内装・機器の設計です。

9000系は1986年3月9日に営業運転を開始し、1986〜1991年にかけて東急車輛製造で造られました。9020系の元になった2000系は、そのすぐ後の1992年デビュー。数年違いで生まれたので、基本の寸法や性能が似ているのは自然なことです。大井町線では9000系が全15編成、9020系が3本という構成でした。

ただ、2000系は田園都市線向け、9000系は東横線向けと、配属先が違ったので内装や機器の組み方に差があります。それが「座席の色」「ボックス席の有無」「パンタグラフの位置」という、ふつうの乗客でも気づける違いになっているわけです。

実は意外と知られていないのですが、9000系と9020系を合わせた数と、6020系各駅停車用の数はぴったり一致します。東急は6020系5両編成18本・90両で「9000系および9020系」を置き換えると発表しています。つまり、今の各駅停車用の古株を1対1で新車に入れ替える計画、ということです。

6020系と比べると「静かさ」と「省エネ」で差がつく

置き換え役の6020系と比べると、9020系は騒音と消費電力の面で世代の差があります。

東急電鉄の発表によると、6020系は「9000系および9020系と比べ騒音の低減や使用電力の削減を実現する環境に優しい車両」です。低騒音型のモーターを採用し、使う電力も減らしています。30年以上前の設計の9020系と最新の6020系では、走ったときの音の大きさに差が出るのは当然と言えば当然です。

車内設備も大きく変わります。6020系は「室内には快適性を高めるため空気清浄機を設置し、座席は背もたれの高いハイバック仕様を採用」。空気清浄機はナノイー方式で、多言語対応のデジタルサイネージも付いています。さらに大容量の情報管理装置で故障の予兆をつかむ仕組みもあり、メンテナンスの面でも新しい世代の電車です。

乗り比べのコツは、同じ区間を9020系と6020系の両方で乗ってみること。加速するときのモーター音、座ったときの背中の高さ、車内の案内画面の違いがよくわかります。9020系が残っているうちにしかできない楽しみ方です。

大井町線のどこを走る?16駅・各駅停車専用という運用

大井町〜溝の口の16駅、約12.5kmが活躍の舞台

9020系が走るのは、大井町から溝の口までの東急大井町線・16駅です。駅間距離の合計は約12.5km。

停車駅は、大井町、下神明、戸越公園、中延、荏原町、旗の台、北千束、大岡山、緑が丘、自由が丘、九品仏、尾山台、等々力、上野毛、二子玉川、溝の口の16駅(東急電鉄の路線データより)。各駅停車はこの16駅すべてに停まります。9020系は各駅停車用なので、どの駅でも乗れる可能性があります。

大井町線はラインカラーがオレンジ色。9020系の帯もこの大井町線カラーに合わせてあります。もともと田園都市線の2000系だったころは田園都市線の色だったので、大井町線に来て「衣替え」をしたことになります。

路線の歴史も古く、1927年7月6日に大井町〜大岡山、1929年11月1日に自由ヶ丘〜二子玉川、1929年12月25日に大岡山〜自由ヶ丘が開通しています。100年近い歴史のある路線で、元・田園都市線の電車が各駅停車を担ってきたというのも、路線どうしのつながりを感じる話です。

🚆 大井町線の運行形態ガイド

各駅停車(5両) 9020系・9000系・6020系が担当。16駅すべてに停車

急行(7両) 9020系は入らない。6000系・6020系の7両編成

9020系の目印 緑の座席/3号車の屋根にパンタグラフなし

大井町線の路線データは東急電鉄の路線紹介ページで確認できます。

急行には入らないので「各駅停車のホーム」で待つ

9020系に乗りたいなら、急行ではなく各駅停車を待つのが鉄則です。

大井町線の急行は7両編成で、5両編成の9020系は入りません。急行と各駅停車が両方停まる駅で急行が来ても、それは9020系ではないということです。逆に、5両編成の各駅停車が来たら、9020系か9000系か6020系のどれか、ということになります。

急行が停まる駅では、急行と各駅停車の乗り換えのために両方の列車が並ぶことがあります。このタイミングは5両と7両を見比べられるチャンス。7両編成のほうには9020系はいないので、5両編成のほうの座席の色をチェックしましょう。

なお、9020系がどの列車に入るかは東急が事前に公表しているものではありません。毎日の運用はその日の車両のやりくりで決まるので、「何時何分の各駅停車が9020系」と確実に狙う方法は一般の乗客にはありません。乗れたらラッキー、という気持ちで各駅停車を何本か見送ってみるのが現実的です。

失敗パターン②:急行の7両編成を待ち続けてしまう

9020系目当てでありがちなのが、急行のホームで7両編成を待ち続けてしまう失敗です。

たとえば、大井町線の電車を撮りに二子玉川や自由が丘に行き、急行と各駅停車が交互に来るのを眺めていたのに、なぜか9020系が来ない……という状況。原因は、9020系が5両編成の各駅停車専用で、急行の7両編成には入らないことを知らなかったことです。急行ばかり見ていると、そもそも9020系に会えるチャンスがありません。

対策は、5両編成の各駅停車に絞って見ることです。ホームの停車位置目標を見ると、5両と7両で止まる位置が違うことがわかるはず。5両編成が来たら座席の色か3号車の屋根を確認しましょう。

さらに、今は6020系が増えているので、5両編成の各駅停車でも6020系に当たる確率が上がっています。9020系に会えるまで時間がかかる前提で、余裕を持ったスケジュールで出かけるのがおすすめです。とくに9023Fはすでに離脱しているので、狙えるのは残りの編成だけです。

⚠️ 注意
撮影するときは、ホームの黄色い線の内側で、ほかの乗客や駅員の動きを妨げないようにしましょう。フラッシュ撮影は運転士の視界を妨げるので避けてください。

6020系への置き換えはどこまで進んだ?2025年夏からの動き

東急は2025年夏から6020系5両編成を順次導入

東急電鉄は、大井町線の各駅停車用として6020系5両編成を2025年夏以降、順次導入すると発表しています。

発表の原文は「2025年夏以降、順次導入します」。置き換え対象は9000系および9020系で、9000系・9020系のすべてが6020系に置き換わる予定です。導入は5両編成18本・90両という規模で、大井町線専用の設計です。

6020系は、もともと大井町線の急行用に7両編成で走っていた形式。今回は各駅停車用の5両編成を新たに造り、古い9000系・9020系を一気に入れ替える計画です。乗りものニュースは、この新車が大井町線で「一大勢力」になる規模だと伝えています。

外観は白を基調にした「INCUBATION WHITE」とオレンジ色。車内の配色は沿線の風景をイメージしたものです。新旧並ぶと、銀色にオレンジの帯の9020系と、白っぽい6020系で、ひと目で違いがわかります。

導入の発表内容は東急電鉄の公式ニュースリリースで読めます。

2025年7月2日に各駅停車用6020系が営業運転を開始

各駅停車用の6020系は、2025年7月2日から営業運転を開始しました。

ここから置き換えが本格化します。新車が1本入るごとに古い車両が1本ずつ運用を離れるのが、一般的な置き換えの進め方です。9020系では9023Fが2025年7月9日の運用をもって離脱しました。6020系の営業開始からわずか1週間後のことで、鉄道ファンの間では「9020系から先に離脱するとは」と驚きの声もありました。

なぜ9020系から離脱したのかについて、東急は理由を公表していません。少数派の形式はメンテナンスの部品や手順が特殊になりがちで、早めに整理されることが多い、というのは一般論として言えますが、9023Fの離脱理由をそうだと断定はできません。

ひとつ言えるのは、置き換えの順番は外からは読みにくいということ。機器更新を受けてまだ数年の編成が先に離脱することもあるので、「まだ大丈夫だろう」と思っていた編成が急にいなくなることがあります。

置き換え完了の見込みと、今のうちにできること

6020系による置き換えは、2027年頃に完了する見込みとされています(ファクトシート上の整理)。東急の公式発表では完了時期の明記はなく、「2025年夏以降、順次」という書き方です。

つまり、9020系が大井町線を走る日々は、もう長くはないということです。9023Fが離脱した今、残るのは9021Fと9022F。この2本の離脱時期について、2026年10月時点で東急からの公式発表は確認できていません。

今のうちにできることとしては、まず乗っておくこと。各駅停車を何本か見送りながら、緑の座席の電車が来るのを待ってみてください。写真を撮るなら、4号車の屋根に2基並んだパンタグラフも記録しておくと、9020系らしい1枚になります。

また、引退が近づくと東急がイベントや記念の取り組みを行うこともあります。9000系では、先頭車正面の帯を1986年デビュー時の赤色に復刻した例もありました。最新情報は東急電鉄の公式サイトやニュースリリースをこまめにチェックしておきましょう。

Q. 9020系はいつまで大井町線で乗れますか?
A. 東急から引退日の公式発表はありません。置き換えは2025年夏から順次進んでおり、9023Fは2025年7月9日の運用で離脱済みです。残る2本もいつ離脱してもおかしくない段階なので、乗りたい人は早めに大井町線の各駅停車を狙ってください。

東急9020系は西武で第二の人生へ|9023Fの甲種輸送と西武7000系

9000系・9020系は西武鉄道に譲渡される予定

大井町線を引退した9000系・9020系は、西武鉄道に譲渡される予定です。廃車ではなく、別の会社で再び走ることになります。

西武鉄道は、他社から状態のよい中古車両を譲り受けて使う「サステナ車両」の取り組みを進めています。乗りものニュースによると、東急9000系と9020系、それに小田急8000形の3車種が西武に譲渡されます。西武鉄道の担当者は「はい、9020系も譲り受けます」と答えています。

譲渡の規模は「合計で約60両が東急電鉄から西武鉄道に譲渡される予定」。西武では多摩川線、多摩湖線、秩父線、狭山線での運行が予定されています。

鉄道会社どうしの車両の譲渡は珍しいことではありませんが、大手私鉄が大手私鉄から中古車を大量に受け入れるのは大きなニュースでした。新車をすべて自前で造るよりコストを抑えられ、まだ使える車両を活かせるのがメリットです。

9000系は「西武7000系」として2026年にデビュー

先に譲渡された9000系は、西武7000系として再デビューしています。

西武鉄道は、東急9000系・9020系を譲受し、7000系として運行する計画です。乗りものニュースによると、7000系は「6月27日から西所沢~西武球場前の約4.2kmを結ぶ狭山線で運行を開始する予定」とされ、将来的には多摩川線、多摩湖線、秩父線へも運行区間を広げる計画です。

改造はかなり大がかりです。改造工事は東急テクノシステムが担当し、VVVFインバーター制御装置や補助電源装置の交換、長いトンネルを走るための対応改造などが行われています。編成も「5両編成か4両編成に短縮されています」。大井町線時代の5両編成から、西武の路線事情に合わせて組み直されているわけです。

面白いのは内装で、西武7000系は「一部内装を東急9020系に近づける形でリニューアル」されたと報じられています。9000系をベースにしながら、内装は9020系寄りに。9020系のデザインが、西武の電車にも受け継がれたと言えます。

🚃 鉄道トリビア
9020系は、田園都市線(2000系)→大井町線(9020系)→西武鉄道と、3つの路線・2つの会社を渡り歩くことになります。形式名が変わるのは2回目。1992年に生まれた電車が、2026年に入っても別の会社で走り続けようとしているのは、ステンレス車体の丈夫さの証でもあります。

2026年9月29日、9023Fの4両が西武へ向けて甲種輸送

9020系でも、西武への譲渡に向けた動きが始まっています。2026年9月29日、9023Fのうち4両が長津田から八王子まで甲種輸送されました。

甲種輸送とは、自力で走らない車両をJRの機関車が貨物列車として運ぶ方法です。鉄道ニュースサイトの2nd-trainによると、輸送されたのは「クハ9023・デハ9323・デハ9423・クハ9123の4両」。これに先立つ2026年9月12日には、2号車のデハ9223が編成から切り離されていることが確認されていました。

5両編成から1両を抜いて4両編成にする形は、先に西武へ渡った9000系と同じ方向性です。今回の甲種輸送は西武鉄道への譲渡に伴うものとみられ、9020系としては初の西武譲渡となります。乗りものニュースの2026年の記事では「東急9020系は現時点では西武鉄道に譲渡されておらず、まだ大井町線で活躍を続けている」とされていたので、ここから9020系の西武時代が動き出したことになります。

ちなみに「クハ」は運転台つきでモーターのない車両、「デハ」はモーター付きの車両を表す記号です。車両記号の読み方を知っておくと、こうしたニュースもぐっと読みやすくなりますよ。

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失敗パターン③:「西武に行けばもう9020系に乗れる」と思い込む

ニュースを見て「西武線に行けば9020系に乗れる」と早合点するのも、ありがちな失敗です。

たとえば、9023Fが西武へ運ばれたと聞いて、狭山線や多摩川線に乗りに行ったのに、走っていたのは9000系ベースの7000系だけだった……という状況。原因は、甲種輸送された車両はそこから改造工事を受けるので、すぐに営業運転を始めるわけではないことです。9000系も、譲渡から運行開始まで改造の期間がありました。

対策は、西武鉄道の公式発表で運行開始が告知されてから出かけることです。西武での形式名や編成の組み方も、正式な発表を待つのが確実です。2026年10月時点では、9023Fが西武でどんな形式名・編成で走るのかは公表されていません。

逆に言えば、今「9020系」という名前で乗れるのは大井町線だけです。西武で再デビューを待つのも楽しみですが、大井町線の9020系に乗れるうちに乗っておく、というのが今いちばん確実な楽しみ方です。

西武鉄道の車両については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。西武に受け継がれる車両の流れを知るとさらに楽しめますよ。

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まとめ

🚃 この記事の結論

東急9020系は元2000系の大井町線各停用で、全3編成のうち9023Fは西武へ向かいました。乗るなら残る2本を各駅停車で早めに狙いましょう。

✅ 要点チェック
  • ✔ 正体:1992年デビューの田園都市線2000系
  • ✔ 見分け方:緑の座席・4号車にパンタ2基
  • ✔ 走る場所:大井町線の5両の各駅停車
  • ✔ 置き換え:2025年夏から6020系が順次導入
  • ✔ その後:西武鉄道へ譲渡、9023Fは輸送済み

まずは大井町線の5両編成の各駅停車に乗り、ドアが開いたら座席の色をチェックしてみてください。緑のロングシートが見えたら、それが残り少ない9020系です。

※車両の運用や譲渡の状況は変わることがあります。最新情報は東急電鉄・西武鉄道の公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

新幹線の窓側席と駅弁をこよなく愛する鉄道ファン。乗り換え案内や座席選びのコツ、お得なきっぷ情報など、鉄道旅をもっと快適にするための実用的な情報を中心に発信しています。交通手段の比較や空港アクセスガイドも得意分野です。

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