「107系ってもう走ってないの?」と検索してこのページにたどり着いた方、おめでとうございます。結論から言うと、JR東日本の路線からは2017年10月7日に姿を消しましたが、群馬県の上信電鉄「700形」として今も5編成10両が現役で走っています。しかも1本はJR時代の塗装をそのまま再現した編成つき。つまり、運賃1,130円を払えば2026年の今でも107系の走りを味わえるということです。
この107系、実は成り立ちがちょっと変わっています。車体は1988年からの新造なのに、床下のモーターも台車も冷房も、廃車になった急行形165系のお下がり。「新車なのに中身は国鉄型」という、鉄道史のなかでもかなり珍しいポジションの電車なんです。
✅ この記事でわかること
✓ 107系がどんな電車で、なぜ165系の部品で作られたのか
✓ 0番台(日光線)と100番台(高崎地区)の違いと引退時期
✓ 上信電鉄700形として現存する5編成の種車と改造点
✓ 高崎から1,130円で会いに行くルートと、きっぷの選び方
鉄道に詳しい友達が横で解説してくれる感覚で、スペックの話から「実際に会いに行くならこうする」という実用面まで、まとめて追いかけていきます。
107系とは?165系のモーターを積み替えた「リサイクル電車」の正体

正体は2両編成の普通電車。1988年から54両だけ作られました
107系は、JR東日本が1988年から1991年にかけて製造した直流用の通勤・近郊タイプ電車です。総勢27編成54両と、量産形式としてはかなり小所帯。編成はすべて「クモハ107形+クハ106形」の2両固定で、3両や4両で作られたことは一度もありません。
なぜこんなに少ないのか。理由は用途がはっきり限定されていたからです。国鉄からJRに変わった直後、北関東の非電化区間ではない「電化ローカル線」では、急行列車の廃止で余った急行形電車が普通列車として使われていました。その置き換え用として、必要な線区の必要な本数だけを作った——それが107系の全量です。
車体は普通鋼と耐候性鋼板で作られた20メートル級、片側3か所の両開き扉。定員はクモハ107形が134人、クハ106形が130人です。最高速度は100km/hで、当時すでに走っていた115系や165系と併結できる設計になっていました。ローカル線用として、増結や救援を前提にした実用本位の設計です。
覚えておくと役立つポイントは「107系=2両1組」という点。これを知っていると、後述する上信電鉄700形が2両編成なのも、無改造に近い形で譲渡できた理由もスッと理解できます。
心臓部は165系のお下がり。MT54形120kWモーターがそのまま生きている
107系がおもしろいのは、床下です。主電動機はMT54B形/MT54D形(120kW×4基)、台車はDT32・DT32B形とTR69B形。これらはすべて、廃車になった急行形165系から取り外した発生品を再利用したものです。ブレーキ装置や補助電源装置、さらには冷房装置まで流用されています。
MT54形は1963年デビューの165系が積んでいた国鉄標準のモーター。つまり107系は、車体は昭和末期〜平成初期の新造品なのに、走行音は完全に国鉄型でした。加速時の唸りも、惰行に入るときの音の抜け方も165系そのもの。「見た目は新しいのに音が古い」というギャップが、この形式が今も語られる理由のひとつです。
流用が徹底しているぶん、車内の冷房まで車両ごとにバラバラでした。クモハ107形は屋根上にAU79A形の集中式が1基、対するクハ106形は165系から外したAU13E形の分散式が6基。同じ編成の隣の車両に移っただけで、冷房の効き方も音も変わるという構成です。
107系の走行音を聞き分けたいなら、狙うのは「クモハ107形」側。モーターが載っているのはこちらだけで、クハ106形は付随車なので走行音はほとんどしません。上信電鉄700形になった今も、この関係はそのままです。
製造したのはメーカーではなく、JR東日本の自社工場でした
107系のもうひとつの変わり種ポイントが、製造場所です。ふつう鉄道車両は車両メーカーが作りますが、107系は大宮・大井・大船・新津車両所・長野・郡山といったJR東日本の自社工場で組み立てられました。理由は、車体製造技術の維持向上を兼ねるため。修繕がメインの工場に、新車を作る力を残しておこうという狙いです。
この経験がのちに新津車両製作所(現在のJR東日本新潟事業所)へつながり、209系やE231系といった大量生産形式を自社で作る流れの入口になりました。107系はわずか54両ですが、JR東日本の「車両を自分で作る会社」への転換点に立っていた形式でもあります。
だから107系は、外板の仕上げやディテールが工場ごとに微妙に違うと言われます。写真を見比べるときは、製造工場と製造年を照らし合わせると細かな差が見えてきて楽しめます。
急行形が普通列車を走る不便さ|置き換えが必要だった3つの理由
2扉デッキ付きは、朝の通学ラッシュにまったく向いていなかった
結論から言うと、165系が普通列車に不向きだった最大の理由はドアが片側2か所しかなく、しかもデッキ付きだったことです。急行列車として長距離を走る前提の設計なので、乗り降りの速さより車内の静粛性が優先されていました。
ところが北関東のローカル線では、朝夕に高校生がまとまって乗り降りします。2扉+デッキだと1駅あたりの停車時間が伸び、遅れが積み重なる。107系が3扉・両開きで設計されたのは、この乗降時間を短縮するためです。
数字で見ると差は明確で、107系は20メートル級の車体に3か所の両開き扉。デッキがないぶん扉付近の滞留も減り、通学時間帯の停車時間を圧縮できます。地味ですが、ダイヤの安定に直結する改善でした。
3両単位は閑散線区には大きすぎた。だから2両編成にした
165系は基本が3両1ユニット。モーター車が2両で1組になる構造上、それ以下には分割できません。日中の乗客が少ない線区では、これがそのまま「空気を運ぶコスト」になっていました。
107系はここを2両編成に割り切りました。クモハ107形1両にモーターを集約し、相方のクハ106形は付随車。編成単位を小さくしたことで、日中は2両、混む時間帯は2本つないで4両、という柔軟な運用ができるようになります。
この「2両で完結する」設計思想は、のちの上信電鉄への譲渡でも効きました。地方私鉄が欲しいのはたいてい2両編成。3両ユニットの車両は改造費がかさむため敬遠されがちですが、107系はそのまま使えるサイズだったわけです。
「新車なのに中古部品」への誤解|コスト削減はどこに効いたのか
ここでよくある勘違いをひとつ。「107系は165系の改造車でしょ?」と言われることがありますが、これは誤りです。車体は完全な新造で、165系から引き継いだのは床下機器や台車、冷房などの部品。書類上も改造ではなく新製扱いです。
ではなぜ部品を流用したのか。新品のモーターや台車を一式そろえると車両価格が跳ね上がるからです。使える部品が大量に余っている状況なら、それを載せ替えたほうが安く早く新車を仕立てられます。最高速度100km/hで足りるローカル線なら、性能面のデメリットもほぼありません。
🎯 見分け方の裏ワザ
「新車なのに国鉄っぽい音がする電車」を見分けるコツは、床下ではなく台車を見ること。107系(現・上信電鉄700形)の台車は165系由来のDT32・TR69B形で、コイルばねが露出した無骨な形をしています。空気ばね全盛の平成生まれの車両とは、ひと目で雰囲気が違います。
0番台と100番台はどこが違う?日光線と高崎で塗装まで別だった

0番台は日光線専用の8編成16両。東照宮カラーをまとっていました
0番台は1988年5月から10月に製造された8編成16両で、1988年6月1日に日光線で営業運転を開始しました。塗装はクリーム10号を地色に、緑14号と赤1号の帯。これは日光東照宮や神橋のイメージから採られた配色です。
日光線は観光客の利用が多い路線なので、0番台には一部にボックスシートが設けられました。通学輸送だけでなく、窓の外の景色を眺める乗客も想定した造りです。加えて、冬季の霜に備えた霜取用パンタグラフと砂撒装置を新製時から装備していました。
日光線で会えたのは2013年3月16日まで。この日をもって0番台は運用を終え、205系600番台にバトンを渡しています。
100番台は高崎の19編成38両。愛称は「サンドイッチ列車」
100番台は1988年11月から1991年2月にかけて製造された19編成38両で、1989年3月11日に営業運転を開始しました。活躍の舞台は両毛線・上越線・吾妻線・信越本線といった高崎地区。107系の主力はこちらです。
塗装はクリーム10号にピンクの帯と緑の帯。上下から色の帯で挟まれた見た目から、沿線では「サンドイッチ列車」と呼ばれていました。座席はトイレ対向部を除いて全席ロングシートで、通学輸送に振り切った構成です。
装備面では0番台と逆転していて、100番台は耐雪ブレーキを装備する一方、霜取パンタと砂撒装置は持っていません。同じ形式でも投入線区の気象条件に合わせて中身が変えられている、という好例です。
トイレは相方のクハ106形にだけ付いていました
107系のトイレは、編成のうちクハ106形にのみ搭載されていました。両毛線や上越線は乗車時間が1時間近くなる区間もあるため、2両編成でもトイレは必須。逆に言うと、モーター付きのクモハ107形にはトイレがなく、車内の座席配置も左右で違っていました。
ちなみにこのトイレ、上信電鉄700形への譲渡時にすべて撤去され、機器室に改造されています。上信線は全線33.7kmで所要時間が概ね1時間前後、しかも各駅にトイレがあるため、車内トイレを維持するより整備の手間を減らす判断がされたわけです。
【ガタンゴトン研究所調べ】0番台と100番台の違い早見表
両者の違いを表にまとめました。同じ形式なのに、ここまで作り分けられている車両はそう多くありません。
| 項目 | 0番台 | 100番台 |
|---|---|---|
| 両数 | 8編成16両 | 19編成38両 |
| 製造時期 | 1988年5月〜10月 | 1988年11月〜1991年2月 |
| 主な投入線区 | 日光線 | 両毛線・上越線・吾妻線・信越本線 |
| 座席 | 一部ボックスシート | 全席ロングシート |
| 霜取パンタ・砂撒装置 | 装備 | 未装備 |
| 耐雪ブレーキ | 未装備 | 装備 |
| 運用終了 | 2013年3月16日 | 2017年10月7日 |
消えたのは2013年と2017年|引退までの流れを時系列で追う
まず日光線から。2013年に205系600番台へバトンタッチ
107系の引退は一度ではなく、番台ごとに4年半あいだを空けて2段階で進みました。先に舞台を降りたのは0番台で、日光線での運用終了は2013年3月16日。後を継いだのは、山手線などで使われていた205系を改造した205系600番台です。
ここでも「使えるものを使う」という発想が繰り返されているのが興味深いところ。165系の部品を使った107系が、今度は元・通勤電車の改造車に置き換えられたわけです。日光線という観光路線の性格上、レトロ調の内装をまとった205系600番台が投入されました。
なお205系そのものは、2026年時点でもまだ一部の路線で走っています。系列としての生き残り方を知りたい方はこちらもどうぞ。

「205系ってまだ走ってるの?」——この記事にたどり着いたということは、たぶんそう思って検索しましたよね。結論から言うと、2026年8月現在、205系に定期列車…
本丸の高崎地区は2017年10月7日に終了。211系にバトンを渡した
100番台の定期運用が終わったのは2017年10月7日です。両毛線・上越線・吾妻線・信越本線を走っていた19編成は、順次211系に置き換えられました。R1編成は2017年11月1日付で廃車となっています。
置き換えた211系も国鉄が設計した形式で、高崎地区に転属してきたのは主に3扉ロングシートの車両。両毛線の運用車にはトイレも付いています。2026年4月には高崎車両センターとぐんま車両センターが統合されて群馬車両センターが発足し、4両編成20本・6両編成7本の計122両が在籍する体制になりました。
「107系は2017年に全部消えた」と書かれた記事を見かけますが、正確にはJR東日本の定期運用が終わっただけです。車両自体は一部が上信電鉄へ有償譲渡され、現在も営業運転を続けています。「引退=解体」ではないのが、譲渡が盛んな日本の私鉄事情のおもしろいところです。
日光線はその後E131系600番台へ。世代交代はさらに進んだ
107系の後を継いだ205系600番台も、すでに日光線からは去っています。2022年3月12日のダイヤ改正で、宇都宮線・日光線にはE131系600番台が投入され、205系600番台は観光列車「いろは」を含めて全編成が運用を終了しました。同時にワンマン運転も始まっています。
つまり日光線の顔は、165系→107系→205系600番台→E131系600番台と4代替わりしたことになります。107系が担当したのは1988年から2013年までの約25年。ローカル線用の「つなぎ役」として設計された車両にしては、十分に長い現役期間でした。
形式消滅と保存のリアルな線引きが気になる方は、国鉄特急形の代表格だった485系の顛末もあわせて読むと、107系が置かれた立場がより立体的に見えてきます。

「485系って、まだどこかで乗れるんですか?」——検索でここにたどり着いた人の多くが、この疑問を抱えています。結論から言うと、485系に乗れる列車は1本も残って…
107系は今も乗れる!上信電鉄700形として走る5編成の全貌
結論:群馬県の上信線で現役。2019年3月10日にデビューしました
2026年現在、107系に乗りたいなら行き先は群馬県の上信電鉄・上信線です。JR東日本から譲り受けた107系100番台は「700形」として整備され、2019年3月10日から営業運転を開始しました。走る区間は高崎〜下仁田の33.7km。
上信電鉄が譲り受けたのは6編成12両。うち5編成10両が営業用に整備され、残る1編成(元R8編成)は部品取りとして使われています。地方私鉄が中古車を導入するときの定番の手法で、予備部品を確保しておくことで長く走らせられます。
形式名はクモハ701〜705とクハ751〜755。JR時代の「クモハ107+クハ106」から番号が振り直されていますが、モーター車+付随車という組み合わせはそのままです。
どの編成がどのR編成だった?種車の対応表
「自分が乗っていたあの編成は今どこ?」という疑問に答えるのがこの対応表です。上信電鉄700形の各編成と、JR時代のR編成番号は次のように対応しています。
| 上信電鉄700形 | 種車(107系100番台) | 備考 |
|---|---|---|
| 701編成 | R7編成 | 最初のグループ |
| 702編成 | R13編成 | — |
| 703編成 | R15編成 | — |
| 704編成 | R16編成 | 107系リバイバルカラー |
| 705編成 | R14編成 | — |
| (営業運転なし) | R8編成 | 部品取り用 |
譲渡でここが変わった|ワンマン化・トイレ撤去・LCD設置
700形になるにあたって手が入ったのは主に4点です。ひとつめはワンマン運転への対応で、客室扉の開閉スイッチが運転台に取り付けられました。上信線は1996年10月1日から全列車がワンマン運転なので、これは必須の改造です。
ふたつめがトイレの撤去。クハ106形にあったトイレは撤去され、機器室に改造されました。3つめは内装で、座席と化粧板が全面的に更新されています。4つめが天井へのLCD車内案内表示器の設置と、バリアフリースペースの確保です。
逆に言えば、床下と走行機器はほぼ手つかず。165系由来のMT54形モーターとDT32形台車で走る音は、JR時代とほとんど変わりません。「見た目は上信電鉄、音は国鉄」という状態が2026年も続いているわけです。
💡 ヒント
走行音をしっかり聞きたいなら、乗るのはクモハ側の車端部。上信線は勾配とカーブが続く区間があり、加速と惰行を繰り返すため、MT54形の唸りが何度も味わえます。座席が更新されている分、乗り心地はJR時代より整っています。
704編成だけは「JR時代の塗装」。ロゴはJDKに変更
700形のなかでもファンの注目度が高いのが704編成(クモハ704+クハ754)です。この編成はJR東日本の協力のもと、107系時代の塗装を再現した姿で登場しました。営業運行の開始は2019年12月16日。
もともとは鉄道ファンからの要望を受けて実現した企画で、当時の帯色をそのまま採用しています。ただしロゴマークだけは「JDK」(上信電鉄=JOSHIN DENTETSU KABUSHIKIGAISHA)に変更されており、JRのロゴは入りません。ここが「復刻だけど別会社の車両」という証拠になっています。
会いに行くなら、この704編成が動いている日を狙いたいところ。ただし運用は日替わりで公開ダイヤもないため、確実に乗るには当日高崎駅で発車する車両を確認するのが現実的です。
群馬まで会いに行く完全ガイド|高崎から片道1,130円の小さな旅
上信線の基本|33.7km・21駅・所要は概ね1時間
上信線は高崎と下仁田を結ぶ33.7km・21駅(起終点含む、ほかに3信号所)の路線です。軌間は1,067ミリの狭軌、直流1500Vで電化されています。高崎〜下仁田の所要時間は概ね1時間前後。
本数は朝夕のラッシュ時が1時間に2〜3本、昼間は概ね1時間に2本です。30分に1本のペースで走っているので、途中下車しながら往復しても計画は立てやすい路線と言えます。全列車がワンマン運転なので、無人駅では運転士のいる先頭車両から乗り降りします。
使用車両は700形のほか、7000形・6000形・250形・500形と電気機関車のデキ1形。つまり700形(元107系)に当たる確率は、単純計算で全体の一部です。1本の列車だけ狙って外すと悔しいので、時間に余裕を持って出かけるのがコツです。
| 所在地 | 群馬県高崎市八島町235 |
| 路線 | 上信電鉄上信線(JR高崎駅・路線バス・タクシーと接続) |
| 設備 | 多目的トイレ・電車型待合室・券売機 |
| 公式サイト | 上信電鉄 高崎駅 |
運賃1,130円。2往復以上するならフリー乗車券が効きます
高崎〜下仁田の片道運賃は1,130円です。単純往復なら2,260円。一方、上信電鉄が発売している一日フリー乗車券は大人2,260円・小児1,140円で、上信線(高崎〜下仁田)が乗り降り自由になります。
つまり単純往復なら金額は同じ。ということは、途中の上州富岡(富岡製糸場の最寄り)などで1回でも降りるなら、フリー乗車券のほうが得になります。「700形が来る列車まで待って乗り継ぐ」という車両狙いの乗り方とも相性がいいきっぷです。
発売箇所は高崎駅・吉井駅・上州福島駅・上州富岡駅・下仁田駅の5駅。有効期間は乗車当日のみです。
| 乗り方 | 片道きっぷ | 一日フリー乗車券 |
|---|---|---|
| 高崎〜下仁田を単純往復 | 2,260円 | 2,260円 |
| 途中下車を1回以上する | 2,260円+追加運賃 | 2,260円(おすすめ) |
よくある失敗:SuicaもPASMOも使えません
ここは要注意ポイントです。上信線にはIC乗車カードの対応区間がありません。JR高崎駅からSuicaで来た流れでそのまま乗ろうとすると、改札で止まります。券売機で紙のきっぷを買うか、フリー乗車券を購入してください。
JR高崎駅から上信電鉄のホームへは同じ駅構内で乗り換えられますが、JRの改札をいったん出るか、乗り換え改札でJR分の精算を済ませる必要があります。ICカードで入場していた場合、ここで残高から運賃が引き落とされる形になります。
もうひとつの落とし穴が、下仁田側の帰り時間。昼間は概ね1時間に2本なので、下仁田で食事や散策をしていると次の列車まで30分近く待つことがあります。訪問前に時刻を確認しておくと、待ち時間を読み違えずに済みます。
| 所在地 | 群馬県甘楽郡下仁田町下仁田甲374-4 |
| 高崎からの運賃 | 1,130円 |
| 設備 | トイレ・券売機・無料レンタサイクル・スロープ |
| 公式サイト | 上信電鉄 下仁田駅 |
シーン別の乗り方|半日コースと1日コースの組み立て方
目的別に3パターンを挙げます。車両優先の半日コースなら、高崎で700形が入る列車を待ち、乗車→適当な駅で折り返し。片道の途中までで往復すれば2〜3時間で完結します。
観光を兼ねた1日コースなら、フリー乗車券を買って上州富岡で富岡製糸場に寄り、下仁田まで乗り通す流れ。下仁田駅には無料レンタサイクルがあるので、町歩きの足も確保できます。
家族連れなら、小児のフリー乗車券が1,140円で買えるのが効いてきます。全列車ワンマンで2両編成、車内にLCDの案内表示があるので、次の駅を子どもと一緒に確認しながら乗れます。ただし車内にトイレはないので、乗る前に駅で済ませておくのが安心です。
JR高崎駅に到着し、上信電鉄のりばへ(ICカードはここで精算)
券売機で片道1,130円、または一日フリー乗車券2,260円を購入
700形が入る列車を確認して乗車。下仁田まで概ね1時間
知っておくと面白い豆知識と、ありがちな勘違い
相方が「クハ106形」なのはなぜ?形式番号のルールの話
107系なのに、相方の形式は「クハ106形」。ここでつまずく人は多いです。国鉄・JRの電車では、先頭の付随車(クハ)に付く番号は、モーター車の形式より1つ小さい数字を使う慣例があります。だからクモハ107形の相棒はクハ106形になるわけです。
「クモハ」「クハ」の記号自体にも意味があります。「ク」は運転台つき、「モ」はモーターつき、「ハ」は普通車。つまりクモハ107形は「運転台とモーターの両方を持つ普通車」、クハ106形は「運転台はあるがモーターはない普通車」。この読み方を覚えると、ホームで車体側面の表記を見るだけで編成の構成が読めます。
形式記号の読み方をもう少し詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。107系に限らず、あらゆる形式で使える知識です。

通勤電車の側面に書かれた「クハE235-1」みたいな文字列、意味不明ですよね。ぶっちゃけ、あれは暗号でもなんでもなくて、読み方さえ知っていれば「この車両には運転…
意外な事実:同じ編成なのに冷房の方式が違いました
知られていないけれど面白いのが、107系の冷房事情です。クモハ107形はAU79A形の集中式冷房を屋根上に1基だけ搭載。対するクハ106形は、165系から取り外したAU13E形の分散式冷房を6基並べていました。
屋根を見れば一目瞭然で、片方はキノコ型の大きな箱がひとつ、もう片方は小さな箱が6つ整列している状態。同じ2両編成で屋根の見た目がここまで違う車両は珍しく、写真を撮るときの見どころにもなっていました。
これも「使える部品は使う」という設計思想の結果です。新しい集中式を1基載せるより、余っている分散式を6基載せたほうが安上がりだった、というだけの話。合理的ですが、結果として個性的な形になりました。
「107系は国鉄型?」問題の答え
ネットでよく見かける論争が「107系は国鉄型か、JR型か」です。答えははっきりしていて、製造したのはJR東日本(1988年〜)なので、書類上はJR型。ただし走行機器は国鉄設計の165系由来なので、走りと音は国鉄型そのもの。
この「JR生まれの国鉄育ち」という立ち位置が、107系を語るときの面白さです。同じ時期のJR東日本には、走行機器から作り直した本格的な新形式もありましたが、107系はあえて逆の道を選びました。ローカル線の置き換えに求められたのは高性能ではなく、安く早く必要な数をそろえることだったからです。
ちなみに107系は115系や165系との併結も可能でした。国鉄型の仲間と手をつなげる設計だったからこそ、車両不足の時に柔軟に応援を出せたわけです。この互換性も、国鉄の部品を使ったことの副産物と言えます。
もうひとつのよくある失敗:「上信電鉄に行けば必ず700形に乗れる」
これは現地でがっかりする人が多いパターンです。上信電鉄には700形のほか、7000形・6000形・250形・500形が在籍していて、どの車両がどの列車に入るかは日によって変わります。公開された車両運用表はありません。
対策はシンプルで、高崎駅のホームで実際に発車する車両を見てから乗ること。フリー乗車券を持っていれば、「今の列車はパスして次を待つ」という選択が追加負担なしでできます。車両狙いの旅とフリー乗車券の相性がいいのはこのためです。
また、営業用は5編成10両なので、検査に入っている編成があると走る本数はさらに減ります。1日の滞在で会えなくても不思議ではない、と思っておくと気持ちが楽です。
✅ 会える確率を上げるコツ
昼間は概ね1時間に2本のダイヤなので、高崎駅で1〜2本見送っても時間のロスは30分〜1時間程度。フリー乗車券を持って午前中から高崎に入れば、その日走っている700形に当たるチャンスを何度も作れます。
まとめ:107系はJRから消えても、群馬でまだ走っている
107系は、車体こそ1988年からの新造でありながら、床下には廃車になった急行形165系のモーターと台車をそのまま積んだ「リサイクル電車」でした。急行形が普通列車を代走する不便さ——2扉デッキ付き、3両単位という制約——を解消するために、3扉・2両編成という形が選ばれたわけです。作られたのは27編成54両だけで、しかも製造したのはメーカーではなくJR東日本の自社工場でした。
日光線用の0番台は2013年3月16日に、高崎地区の100番台は2017年10月7日に定期運用を終えています。ただし物語はここで終わりません。100番台のうち6編成12両が上信電鉄へ渡り、2019年3月10日から700形として営業運転を開始。営業用の5編成10両が、高崎〜下仁田33.7kmを今日も走っています。
会いに行くときの実用情報をあらためて整理しておきます。
📝 ポイントまとめ
- 高崎〜下仁田の片道運賃は1,130円、所要は概ね1時間
- 一日フリー乗車券は大人2,260円・小児1,140円で当日限り有効
- 途中下車を1回でもするならフリー乗車券が得
- 上信線はIC乗車カード非対応。券売機で紙のきっぷを買う
- 全列車ワンマン運転。700形の車内にトイレはない
- 704編成はJR時代の塗装を再現、ロゴは「JDK」
- 運用は日替わりなので、高崎駅で車両を確認してから乗る
次にやることはシンプルです。まずは上信電鉄の公式サイトで高崎発の時刻を確認し、午前中に高崎駅へ入る計画を立ててみてください。フリー乗車券を1枚買っておけば、700形が来る列車まで待つのも、上州富岡で寄り道するのも自由です。1963年生まれのMT54形モーターが上州の山あいに響く音は、2026年の今しか聞けないかもしれません。
※運賃・きっぷの内容・運行本数は改定されることがあります。おでかけ前に上信電鉄の公式サイトで最新情報をご確認ください。

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