「見送りに入場券を買ったのに、改札から出られなくなった」「切符って何日使えるんだっけ?」——駅で急にあせるのは、たいてい切符の時間制限を知らないときです。しかもこの時間制限、1種類ではありません。
結論から言うと、切符の時間制限は大きく3つあります。1つ目が入場券やICカードの「2時間」、2つ目が乗車券の「有効期間(日数)」、3つ目が買うとき・払いもどすときの「締切時刻」です。この3つはまったく別のルールで動いていて、混ぜて覚えると必ずどこかで損をします。
この記事では、JR各社の公式ルールと旅客営業規則の条文をもとに、それぞれの時間制限がいつ始まっていつ切れるのか、超えたら何が起きるのかを、駅で使える形に整理しました。ぶっちゃけ、2時間の起算点を知っているだけで改札トラブルの半分は防げます。
✅ この記事でわかること
✓ 入場券の2時間はいつから数え始めるのか(入場した時刻ではありません)
✓ SuicaやPASMOで改札に入ったときに動き出す2時間タイマーの正体
✓ 乗車券が何日使えるかを暗算で出す計算式と、大都市近郊区間の例外
✓ 期限が切れる瞬間にまだ乗っていた場合の救済ルールと、それを自分で壊す行動
切符の時間制限は「2時間」と「日数」の二階建てになっている

まず押さえるべきは、時計が3本あるということ
切符の時間制限を1つのルールだと思っていると混乱します。実際には性質の違う時計が3本、同時に動いています。
1本目は入場券の時計。JR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州の全駅で、入場券の使用時間は発売時刻から2時間以内と決められています(JR四国にはこの時間制限がありません)。分単位で効いてくる、いちばん短い時計です。
2本目は乗車券の時計。こちらは分ではなく「日」で数えます。営業キロが100キロまでの乗車券は1日、100キロを超えると200キロごとに1日ずつ増えていきます。
3本目は手続きの時計です。指定券が発売される「1カ月前の10時」、えきねっとの申込締切「出発時刻の6分前」、払いもどしの受付期限——これらはすべて別の時計で動きます。切符そのものの有効期限が残っていても、手続きの窓は先に閉まります。この3本を分けて考えると、駅で判断を間違えにくくなります。
入場券の時間制限は駅員さんの裁量ではなく、旅客営業規則第294条にはっきり書かれています。第2項に「入場券の使用時間を制限して発売することがある」、第3項に「券面に発売時刻及び使用時間を制限する旨を表示して発売する」とあり、券面の印字そのものがルールの根拠になっているわけです。
「当日限り」は24時までとは限らない
いちばん誤解が多いのが「当日限り=24時に強制終了」という思い込みです。実際は違います。旅客営業規則第155条には、入場後に有効期間を経過した乗車券は、途中下車をしないでそのまま旅行を継続する場合に限って、券面に表示された着駅まで使用することができると書かれています。
つまり、23時50分に乗った列車が日付をまたいで0時30分に終点へ着いても、その乗車券は有効です。改札を出ずに乗り続けている限り、時計の針は問題になりません。これを「継続乗車」と呼びます。
逆に言えば、途中で改札の外に出た瞬間にこの救済は消えます。夜行列車や終電の長距離運用を使う人が押さえておくべき、日をまたぐ移動をする人ほど効いてくるルールです。
時間制限を破ると、実際に何が起きるのか
時間制限を超えたときの扱いは、切符の種類ごとに違います。入場券の場合は、超えた時間に対して2時間ごとに入場料金が加算されます。つまり2時間15分いた人は入場料金2回分、4時間5分いた人は3回分です。罰金ではなく延長料金という考え方です。
ICカードで入った場合はもう少しやっかいで、2時間を過ぎると自動改札機から出ること自体ができなくなります。改札の前で立ち往生して、係員のいる窓口に並ぶことになります。
乗車券の有効期間切れは、もっとシビアです。有効期間を過ぎた乗車券は無効になり、乗った区間の運賃を新たに支払うことになります。切符の時間制限は「うっかりしても数百円で済むもの」と「数千円飛ぶもの」が混在している、と覚えておいてください。
見送りの2時間、起算点は「改札を入った時刻」ではない
2時間のスタートは券面の発売時刻から
ここが最大の落とし穴です。入場券の2時間は発売時刻から数えます。改札を通った時刻ではありません。旅客営業規則第294条第3項が「券面に発売時刻及び使用時間を制限する旨を表示して発売する」と定めている通り、券売機で買った瞬間に時計が動き出します。
意外と知られていないのですが、これは実害に直結します。新幹線の見送りで「先に入場券だけ買っておこう」と改札外の券売機で30分前に購入し、そのあとホームで1時間半話し込むと、改札を出るときにはもう2時間経過している、という事故が起きます。体感では1時間半しか構内にいないのに、券面上は2時間超過なのです。
対策はシンプルで、入場券は改札に入る直前に買う。これだけで持ち時間をまるまる2時間使えます。券面には発売時刻が印字されているので、入場したら一度その数字を見て、出る目標時刻を決めておくと安全です。
🎯 裏ワザ
見送りで2時間を超えそうなときは、超過してから慌てるより、いったん改札を出て入場券を買い直すほうが手間が少なくて済みます。加算精算は有人窓口での手続きになり、混雑する駅では列に並ぶ時間のほうが長くなりがちだからです。列車の発車まで時間が空くなら、改札外のカフェで待つほうが結果的に安く済むケースもあります。
2時間を超えたら「2時間ごとに加算」される
超過したときの計算方法は明快です。JR北海道の公式案内には「2時間を超えた場合には、超えた時間に対して2時間ごとに入場料金を加算させていただきます」と明記されています。1分でも超えれば次の2時間ぶんが丸ごと乗る、という切り上げ方式です。
JR東日本の駅なら入場料金はおとな160円・こども80円です。2時間1分の滞在なら入場料金2回分、4時間1分なら3回分という数え方になります。1回あたりの金額は小さいものの、有人改札で事情を説明して精算する手間が発生します。
なお入場券では列車に乗れません。乗ってしまった場合は別に運賃を支払うことになります。「ホームのベンチが空いていないから、停車中の車内で座って待とう」は規則上アウトなので、やらないでください。
JR6社の入場料金と時間制限を並べてみた
入場券は全国一律ではありません。会社ごとに料金も時間制限の有無も違います。ガタンゴトン研究所で公式資料をもとに整理したのが次の表です。
| 会社 | おとな | こども | 時間制限 |
|---|---|---|---|
| JR北海道 | 210円 | 100円 | 発売時刻から2時間 |
| JR東日本 | 160円 | 80円 | 発売時刻から2時間 |
| JR東海 | 150円 | 70円 | 発売時刻から2時間 |
| JR西日本 | 150円 | 70円 | 発売時刻から2時間 |
| JR四国 | 190円 | 90円 | 時間制限なし |
| JR九州 | 200円 | 100円 | 発売時刻から2時間 |
注目すべきはJR四国です。時間制限の対象となっているのはJR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州の全駅で、JR四国だけがこの枠から外れています。四国の駅では時計を気にせず見送りができる、というわけです。
また会社の境界にある駅は例外扱いになります。新青森駅・東京駅・品川駅はおとな160円・こども80円、新横浜駅・国府津駅・小田原駅・熱海駅・甲府駅・塩尻駅・辰野駅・上越妙高駅・南小谷駅・児島駅・下関駅・小倉駅・博多駅はおとな150円・こども70円です。名古屋地区で鉄道駅バリアフリー料金を収受する区間内の駅はおとな160円・こども80円になります。ソースはJR北海道が公開しているきっぷのご案内(PDF)です。
入場券は「当日しか買えない」という時間制限もある
もう1つ、見落とされがちな時間制限があります。旅客営業規則第294条第5項は「入場券は、入場する日の当日に発売する」と定めています。前日に買っておくことはできません。旅行の準備として事前に用意しておこう、という発想が通じない切符なのです。
一方で定期入場券という選択肢もあります。第296条によれば、定期入場券は発売日から1箇月間、発売駅において記名人に限って使用できるもので、こちらは購入申込書に住所・氏名・年齢を記入して申し込みます。ただし発売しているのは一部の駅に限られます。
普通入場券のほうは「発売駅で発売当日中に1人1回に限って」使えるのが原則で、そこに2時間の使用時間制限が上乗せされる、という構造になっています。同じ駅を出入りする用事が多い人は、定期券との使い分けを知っておくと無駄が減ります。

SuicaやPASMOで改札に入った瞬間、2時間タイマーが動き出す

タッチでエキナカなら入場券と同じ料金で入れる
紙の入場券を買わなくても、Suicaで改札内に入れるのが「タッチでエキナカ」です。JR東日本の公式案内によると、Suicaエリア内にある駅で同一駅の自動改札機で入場後2時間以内に出場した場合、チャージ残額から料金を自動的に差し引く仕組みになっています。
料金は各駅の入場券と同額で、新横浜駅・国府津駅・小田原駅・熱海駅・甲府駅・塩尻駅はおとな150円・こども70円、その他の駅はおとな160円・こども80円です。券売機に並ばずに済むぶん、見送りにはこちらのほうが速いです。
便利なのは、同一駅の自動改札機であれば同じ改札口での入出場だけでなく、他の改札口への通り抜けもできる点です。線路をまたいだ反対側の出口に行きたいとき、遠回りせずに構内を通り抜けられます。
💡 ヒント
タッチでエキナカの2時間は「入場時刻」から数えます。券面の発売時刻から数える紙の入場券とは起算点が違うので、買ってから入場するまでに時間がかかる大きな駅では、ICカードのほうが実質的に長く滞在できます。この差を知っているだけで、乗り換え時間の読み方が変わります。
2時間を過ぎると自動改札から出られなくなる
ここが紙の入場券との決定的な違いです。JR東日本の公式説明には「入場時刻から2時間を経過した場合、自動改札機から出場することはできません」と明記されています。改札にタッチしてもゲートが閉まり、そこから先に進めません。
その場合は改札窓口へ行くことになります。窓口では、超えた時間に対して2時間ごとに料金を加算してチャージ残額から差し引く処理をします。金額そのものは大きくありませんが、駅ナカで買い物をしていて気づいたら3時間経っていた、というときに列に並ぶのは痛いです。
失敗を防ぐコツは、入場時刻をスマホのタイマーで1時間45分にセットしておくこと。駅ナカ商業施設が充実した大きなターミナルほど、2時間はあっという間に溶けます。
新幹線改札と簡易改札機は対象外という罠
タッチでエキナカには、時間以外の制限もあります。まず新幹線(東海道新幹線を含む)の改札内に入場することはできません。新幹線ホームで見送るなら、あらかじめ紙の入場券を買う必要があります。ここを勘違いすると、発車時刻が迫る中で券売機に走ることになります。
次に、出場時には自動改札機のみ利用でき、簡易Suica改札機からは出場できません。無人駅や小規模駅にある柱型のタッチ機からは出られない、ということです。
そしてもう1つ。列車に乗車して入場駅と同じ駅に戻ってきた場合、このサービスは使えません。実際に乗車した区間の運賃を支払うことになるので、係員のいる改札窓口に申し出ます。「一駅だけ往復して戻れば入場券代わりになる」という発想は通用しない設計です。
私鉄にも広がる2時間ルール(京急の例)
この仕組みはJRだけのものではなくなりました。京浜急行電鉄は2026年3月14日から、PASMOなどの交通系ICカードを入場券として使えるサービスを始めています。
条件はJRとほぼ同じで、同一駅の自動改札機で入場後2時間以内に出場した場合が対象。料金はおとな150円・こども80円です。入場時刻から2時間を経過すると自動改札機から出られないため、駅係員に申し出る流れになります。
ただし対象外もあります。泉岳寺駅は対象外で、品川駅・八丁畷駅・横浜駅・天空橋駅では他社線との連絡改札口が使えません。複数社が乗り入れる駅ほど例外が増えるので、初めて使う駅では改札口の表示を確認してから入るのが安全です。詳細は京急の公式お知らせで確認できます。
乗車券は何日使える?距離で決まる日数の数え方
100キロまでは1日、200キロごとに1日ずつ増える
ここからは日単位の時間制限です。乗車券の有効期間は、営業キロが100キロまでなら1日。100キロを超えると、次の表のように増えていきます。
| 営業キロ | 有効期間 |
|---|---|
| 100キロまで | 1日 |
| 200キロまで | 2日 |
| 400キロまで | 3日 |
| 600キロまで | 4日 |
| 800キロまで | 5日 |
| 1000キロまで | 6日 |
1001キロ以上は200キロごとに1日を加えます。往復乗車券の有効期間は片道の2倍です。長距離の切符ほど日程に余裕があり、途中の街に泊まりながら進めるのはこのルールのおかげです。
暗算で出せる計算式を覚えておく
表を覚えるのは面倒なので、JR公式が案内している早わかり計算式を使いましょう。Aキロ÷200キロ+1日=有効期間(小数点以下切り上げ)です。
たとえば営業キロ550キロなら、550÷200=2.75、切り上げて3、これに1日を足して4日。表の「600キロまで=4日」と一致します。900キロなら900÷200=4.5、切り上げて5、プラス1日で6日です。
この式のいいところは、1000キロを超えても同じ計算で答えが出る点です。1400キロなら1400÷200=7、プラス1日で8日。駅の窓口で「これ何日使えますか」と聞く前に、自分で見当をつけられます。旅程を組むときに便利なので、スマホのメモに入れておく価値があります。
初日は「時間の長短にかかわらず1日」
有効期間には初日を算入します。しかもJR東海の公式案内は「有効期間の初日は、時間の長短にかかわらず、1日として計算します」と明記しています。
これが何を意味するか。23時50分に乗り始めても、その日は丸1日ぶんを消費するということです。2日間有効の乗車券を深夜に使い始めると、実質的な持ち時間は24時間よりずっと短くなります。
公式の例示では、3月20日から4日間有効の乗車券は3月23日まで有効です。「4日間だから3月24日まで」ではありません。ここを1日ずれて覚えていると、最終日に改札で止められます。日をまたぐ旅程を組む人は、初日を夜スタートにしないだけで期間を有効に使えます。

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大都市近郊区間だけは距離が伸びても1日のまま
ここに大きな例外があります。大都市近郊区間内のみを利用する乗車券は、営業キロにかかわらず有効期間が1日で、しかも途中下車ができません。
大都市近郊区間は東京近郊区間・大阪近郊区間・福岡近郊区間・仙台近郊区間・新潟近郊区間の5エリアがあります。エリア内なら実際に乗車する経路にかかわらず最も安くなる経路で計算した運賃で乗れ、同じ駅を二度通ったり重複しない限り経路も自由に選べる——という恩恵とセットで、有効期間と途中下車が制限されている構造です。
実害が出るのは「200キロ超えたから2日使えるはず」と思い込んだときです。エリア内で完結する切符は、何キロ乗ろうと当日限り。旅行者より、むしろ関東や関西で長い一筆書きルートを楽しむ人が引っかかりやすいポイントです。詳しくはJR線ご利用案内の大都市近郊区間ページにまとまっています。
期限が切れる瞬間にまだ乗っていたら、どうなる?
継続乗車なら着駅まで乗り通せる
結論から言うと、そのまま終点まで乗れます。JR東日本の公式案内も「乗車中に有効期間を経過した場合は、途中下車をしない限り券面に表示された最終駅まで使用できます」と説明しています。
根拠は旅客営業規則第155条です。条文には「入場後に有効期間を経過した当該使用乗車券は、途中下車をしないでそのまま旅行を継続する場合に限って、その券面に表示された着駅までは、これを使用することができる」とあります。
さらに親切な規定もあって、接続駅で設備または時間の関係上、旅客を一時出場させて列車の接続を待たせるときは、指定した列車に乗り継ぐ場合に限り継続乗車しているものとみなすとされています。駅の都合で外に出された場合は救済される、という設計です。夜行や深夜帯の長距離移動で日付をまたぐ人は、この条文の存在を知っておくと落ち着いて対応できます。
失敗パターン1:期限最終日の夜に「ちょっと外へ」で無効
継続乗車の救済には、はっきりした条件があります。途中下車をしないことです。ここを踏み外す失敗が起きます。
典型例はこうです。有効期間の最終日、23時30分に乗り換え駅に着いた。次の列車まで40分空くので、駅前のコンビニで飲み物を買おうと改札を出た。戻ってきたら日付が変わっていて、乗車券は無効。そこから先は運賃を払い直しになります。
原因は「乗り換え待ちだから途中下車にならないだろう」という思い込みです。改札の外に出た時点で途中下車と扱われ、継続乗車の条件から外れます。対策も明快で、期限の最終日に日付をまたぐ予定があるなら、改札の外には出ない。飲み物はホームの自販機か、改札を出る前に買っておく。これだけです。
駅の都合による一時出場(接続待ちで指定された列車に乗り継ぐ場合)は継続乗車とみなされますが、自分の都合で出るのは別です。判断に迷ったら、改札を出る前に係員に一声かけてください。出てしまってからでは戻せません。
そもそも途中下車できない切符がある
継続乗車以前に、途中下車自体ができない切符があります。JR東日本の案内によれば、途中下車できないのは次のとおりです。
📝 途中下車できない切符
- 営業キロが100キロまでの普通乗車券
- 一部のおトクなきっぷ
- 特急券、急行券、グリーン券、寝台券、指定席券
- 特定の都区市内発着の乗車券(同じゾーン内の駅では不可。山手線内発着も同じ)
裏を返せば、これら以外の乗車券は後戻りしない限り何回でも途中下車できます。600キロの乗車券なら4日間、途中の街を好きなだけ寄り道しながら進められるということです。
ここは有効期間の長さとセットで効いてきます。日数の時間制限は「制約」に見えますが、途中下車と組み合わせると「その日数ぶん自由に旅ができる権利」に変わります。長距離の切符を買うときは、この2つを必ずセットで考えてください。
特急券は当日限り。乗り遅れた1分で何が変わるのか
特急券の有効期間は乗車日1日だけ
乗車券が距離で日数を持つのに対し、特急券の有効期間は乗車日1日(当日限り)です。指定席特急券も自由席特急券も同じで、翌日以降は使えません。
これは新幹線でも在来線特急でも変わりません。乗車券と特急券の2枚を持って旅をするとき、2枚の時間制限がまったく別々に走っている点に注意が必要です。4日間有効の乗車券を持っていても、特急券だけは当日で切れます。
実務的なコツとしては、旅程が固まりきっていないときに特急券を先に買い込まないこと。乗車券だけ先に買って、特急券は当日または前日に確定させるほうが、変更や払いもどしの手数料を抑えられます。
乗り遅れても、当日なら自由席で救済される
指定席の列車に乗り遅れたときの扱いは、意外と手厚いです。JR東海の案内によれば、指定された列車の乗車日と同じ日のうちなら、後続列車の普通車自由席に限って利用できます。
ポイントは3つあります。ひとつは「当日のみ」。翌日以降には持ち越せません。ふたつめは「自由席に限る」。空いているからといって指定席に座ると、あらためて指定席特急料金が必要になります。みっつめは、この救済は特急券についての話であり、乗車券の有効期間とは別に判断されるということです。
だから、乗り遅れたときの最善手は「駅に着いた時点ですぐ後続列車の自由席に乗る」。窓口に相談に行って時間を使うより、当日中に移動を完了させるほうが確実です。
払いもどしの受付にも時間制限がある
切符の時間制限は「使う期限」だけではありません。お金を返してもらう期限も決まっています。JR東日本の案内をもとに整理すると次のとおりです。
| きっぷの種類 | 受付期限 | 手数料 |
|---|---|---|
| 普通乗車券・自由席特急券など | 使用開始前で有効期間内 | 220円 |
| 立席特急券 | 出発時刻まで | 220円 |
| 指定席特急券・寝台券など | 列車出発日の2日前まで | 340円 |
| 同上 | 出発日の前日から出発時刻まで | 30%(最低340円) |
普通乗車券は前売りのぶんも含めて、使用開始前で有効期間内なら220円で戻ります。指定券は出発日が近づくほど不利になり、前日から出発時刻までは手数料30%です。定期券の場合、有効期間開始日の前日までなら発売額から220円を差し引いた額が戻ります。
失敗パターン2:前日にいったん変更して、そのあと払いもどし
これは知らないと確実に損をするパターンです。列車の出発日またはその前日にいったん変更した指定券を払いもどすときは、手数料30%がかかります(立席特急券を除く)。
ありがちな流れはこうです。前日に「1本早い列車に変えておこう」と変更した。当日になって予定が消え、払いもどそうとしたら、340円ではなく30%を引かれた——。変更は無料でできることが多いので、変更した瞬間に払いもどし条件が悪くなるとは思わないのです。
対策は、予定がぐらついているときは前日以降の変更をしないこと。行くかどうか決まっていない段階なら、変更せずに2日前までの払いもどし(340円)で一度精算し、確定してから買い直すほうが総額は少なく済みます。買い間違いに気づいたときの扱いも含めて、変更と払いもどしは別ルールだと覚えておいてください。

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買うときにも締切がある。発売開始と申込期限の時計
指定券は1カ月前の10時に一斉発売
3本目の時計、手続きの時間制限です。JR東日本の案内によれば、指定券(特急券・グリーン券・グランクラス・寝台券・指定席券)は、利用する列車が始発駅を発車する日の1カ月前(前月の同じ日)の10時から、駅や旅行会社の窓口で一斉に発売されます。
公式が挙げている例は分かりやすくて、4月1日の特急〔あずさ〕の指定券の発売は3月1日の10時からです。「1カ月前」は30日前でも31日前でもなく、前月の同じ日付という数え方をします。
乗車券のほうは扱いが違い、原則として発売当日から有効となる乗車券を発売しますが、有効期間の開始日の1カ月前の日から発売することがあります。人気列車を狙うなら、この10時ちょうどの争奪戦に参加できるかどうかが分かれ目です。なお窓口営業時間内であっても指定券を発売していない時間帯があるので、早朝・深夜に乗る人は前もって買っておくのが安全です。
えきねっとは「出発の6分前」で締め切られる
ネット予約には、駅の窓口とはまた別の締切があります。えきねっとの公式案内から当日の期限を抜き出すと、こうなります。
列車出発時刻の6分前、かつ23時24分まで
列車出発時刻の4分前、かつ23時24分まで
列車出発時刻まで、かつ23時50分まで
紙のきっぷは6分前、新幹線eチケットは4分前、在来線チケットレス特急券・座席指定券は出発時刻までと、商品ごとに刻みが違います。払いもどしの期限も紙のきっぷは6分前かつ23時50分まで、新幹線eチケットは4分前かつ23時50分までです。
もう1つ知っておきたいのが、出発時刻が0時00分から5時00分の列車。この場合は乗車日前日の23時24分(在来線チケットレスは前日の23時50分)までの申込になります。深夜バス感覚で直前に押さえようとすると間に合いません。
発売開始より前に手を挙げる「事前受付」という時計
逆張り的に知っておくと得なのが、発売開始前の受付です。えきねっとには事前受付があり、乗車日1ヶ月と1週間前の14時00分から乗車日1ヶ月前の9時54分までに申し込んでおけます。
発売開始が10時00分ですから、その6分前で受付が締め切られる計算です。10時ちょうどに操作できない人にとっては、事実上の抽選参加券になります。さらに新幹線eチケットサービスには早期予約があり、乗車日3か月前の14時00分から乗車日1ヶ月と8日前の23時50分まで申し込めます。
整理すると、指定券をめぐる時計は「3か月前14時00分(早期予約)→1ヶ月と1週間前14時00分(事前受付)→1ヶ月前9時54分(事前受付締切)→1ヶ月前10時00分(一斉発売)→当日の出発直前(申込締切)」という順に動きます。えきねっとの公式ガイドに図つきでまとまっているので、繁忙期に旅行する人は一度目を通しておく価値があります。
青春18きっぷは「連続」と「最終列車まで」がセット
フリーきっぷにも独自の時間制限があります。青春18きっぷの有効期間は、購入時に指定した利用開始日から連続する3日間または連続する5日間。飛び石では使えません。価格は3日間用が10,000円、5日間用が12,050円です。
そして見逃せないのが終わり方です。公式案内には「有効期間の最終日は、最終列車までご利用できます」とあります。24時で切れるのではなく、その日の最終列車まで乗れるということです。
2026年の利用期間は、春が3月1日から4月10日、夏が7月18日から9月8日、冬が12月11日から2027年1月11日。発売期間は利用期間より早く締め切られ、たとえば夏は3日間用が7月3日から9月6日、5日間用が7月3日から9月4日までです。連続した日程で使い切る必要があるため、いつ使い始めるかを決めてから買うのが鉄則になります。
まとめ:切符の時間制限は3本の時計で覚える
3本の時計を思い出す順番は決まっています。改札の中にいるなら2時間の時計、移動中なら日数の時計、まだ買う前・キャンセル前なら手続きの時計です。見送りに行くなら入場券は改札の直前で買う、長距離を移動するなら初日を夜スタートにしない、予定が固まっていないなら前日以降の変更を避ける——今日からできる一歩は、この3つのうち自分に当てはまるものを1つ選ぶことです。
料金・期間・受付時刻は改定されることがあります。実際に使う前に、リンク先の公式ページで最新情報をご確認ください。

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