新幹線のきっぷを買ったら、行き先が「東京都区内」になっていて戸惑っていませんか。結論から言うと、これは東京駅から片道201km以上離れた駅との間で自動的に適用されるルールで、東京23区内にあるJR線の駅なら、どの駅で乗り降りしても追加運賃なしで乗れるという意味です。運賃はあなたが実際に乗った駅ではなく、東京駅を起点にして計算されています。
つまり、西荻窪や蒲田、金町から乗る人は、そこから東京駅までの区間が実質タダで付いてくる、ということ。逆にこの仕組みを知らないと、都区内の駅で改札を出てしまってきっぷを回収されたり、ネット予約で在来線ぶんを二重に払ったりします。しかも2026年3月14日の運賃改定で、この制度まわりのルールが一部変わりました。
✅ この記事でわかること
✓ 「東京都区内」が適用される条件と、東京山手線内との境目
✓ 路線ごとに「どの駅まで」乗れるのか、区界の駅を全部
✓ 途中下車できない・eチケットには付かないという2大落とし穴
✓ 2026年3月の運賃改定で変わった点と、区間別の運賃早見表
乗車券の「東京都区内」とは?東京駅から201km以上で自動的に付くルール

まずは制度そのものの正体から。難しく見えて、覚えることは「中心駅は東京駅」「201km以上」の2つだけです。
券面の「東京都区内」は”東京駅を起点に運賃を計算しました”という印
券面に印字された「東京都区内」は、東京23区内にあるJR線の駅をひとかたまりのゾーンとして扱い、その代表として東京駅からの営業キロで運賃を計算したことを示しています。JR東海の運賃計算の特例ページでも、11の都市について中心駅からの営業キロで運賃を計算すると明記されています。
なぜこんな面倒な仕組みがあるのかというと、遠距離のきっぷを1枚1枚「西荻窪発」「蒲田発」と細かく計算していたら、駅の数だけ運賃表が必要になるからです。国鉄時代からの合理化策で、いまも11都市で生きています。
実用面でのポイントは、ゾーン内なら乗車駅も下車駅も自由に選べること。東京都区内→大阪市内のきっぷなら、赤羽から乗って新大阪で降りても、東京から乗って大阪駅で降りても同じ1枚でOKです。詳しくはJR東海「運賃計算の特例(特定の都区市内駅および東京山手線内の駅を発着する場合の特例)」で確認できます。
101〜200kmは「東京山手線内」、201km以上で「東京都区内」に切り替わる
距離によって2段構えになっているのが、東京だけの特徴です。東京駅からの片道営業キロが100km超200km以下なら「東京山手線内」、200kmを超えると「東京都区内」に切り替わります。ゾーンが広がるぶん、遠くへ行くほどおトク度が上がる設計です。
東京山手線内の範囲は、山手線の内側と考えるとほぼ合っています。具体的には東海道本線の東京〜品川、東北本線の神田〜田端、山手線の大崎〜駒込、中央本線の御茶ノ水〜千駄ケ谷など。池袋・新宿・渋谷・上野はもちろん含まれます。
たとえば東京〜高崎は営業キロ105.0kmなので「東京山手線内→高崎」となり、運賃は2,090円(2026年3月14日の改定後)。新宿から乗っても池袋から乗っても、この1枚で高崎まで行けます。一方、東京〜仙台は351.8kmなので「東京都区内→仙台市内」になり、赤羽や蒲田も守備範囲に入ります。
実際に乗る駅は関係ない。運賃はあくまで東京駅からの距離
ここが誤解されやすいところですが、あなたが西荻窪から乗ろうが東京駅から乗ろうが、運賃は1円も変わりません。東京駅からの営業キロだけで決まります。
東京〜新大阪の営業キロは552.6km、片道乗車券は8,910円です。西荻窪から乗る人は、西荻窪〜東京の24.5kmぶんが実質サービスになる計算。逆に品川から乗る人は、東京〜品川の6.8kmを”使わずに”払っていることになります。
だからこそ、行きは家から一番近い都区内の駅から乗り、帰りも都区内の目的の駅まで乗り通すのが正解。乗り継ぎのために途中でわざわざ精算する必要はありません。なお乗車券と特急券は別物なので、新幹線に乗るには特急券も必要です。

東京都区内は11ある「特定都区市内」のひとつ
この仕組みは東京だけの特権ではなく、全国11都市に用意されています。正式名称は「特定都区市内制度」。それぞれ中心駅が決まっていて、東京以外はすべて中心駅から201km以上が適用条件です。
| ゾーン名 | 中心駅 | 券面の表示 |
|---|---|---|
| 東京都区内 | 東京駅 | 東京都区内 |
| 札幌市内/仙台市内 | 札幌駅/仙台駅 | ○○市内 |
| 横浜市内 | 横浜駅・新横浜駅 | 横浜市内 |
| 名古屋市内/京都市内/大阪市内/神戸市内 | 名古屋駅/京都駅/大阪駅/神戸駅 | ○○市内 |
| 広島市内/北九州市内/福岡市内 | 広島駅/小倉駅/博多駅 | ○○市内 |
北九州市内の中心駅が「小倉駅」、福岡市内の中心駅が「博多駅」というのは、市名と駅名が違うので出張族でも意外と知りません。券売機で「福岡市内」と出たら、それは博多駅起点という意味です。
| 所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目 |
| 主な路線 | 東海道新幹線・東北新幹線・東海道本線・中央線・京葉線ほか |
| 公式サイト | JR東日本 東京駅の情報 |
「東京都区内」の範囲はどこまで?路線別の”端っこの駅”を全部並べます
いちばん知りたいのはここでしょう。ざっくり言えば「23区内にあるJR東日本の駅」ですが、境目の駅を覚えておくと迷いません。
中央線は西荻窪、京浜東北線は蒲田と赤羽が境目
結論から言うと、中央線(快速)は西荻窪まで、京浜東北線は南が蒲田、北が赤羽までです。ここから1駅でも外に出ると、東京都区内のきっぷでは乗れません。
なぜこの駅なのかというと、行政上の23区の境界と線路がぴったり重なっているから。西荻窪は杉並区で、その次の吉祥寺は武蔵野市です。蒲田は大田区で、次の川崎はもう神奈川県川崎市。赤羽は北区で、次の川口は埼玉県です。
🚆 東京都区内の”端っこの駅”ガイド
中央線(快速) 西荻窪まで(次の吉祥寺は範囲外)
中央・総武線 各駅停車 西荻窪〜小岩
総武快速線 新小岩まで
京浜東北線 蒲田まで/赤羽まで
埼京線 浮間舟渡まで
常磐線 金町まで
京葉線 葛西臨海公園まで
横須賀線・湘南新宿ライン 西大井まで
山手線 全駅
常磐線は金町、京葉線は葛西臨海公園、埼京線は浮間舟渡まで
東側と北側の境目も押さえておきましょう。常磐線は金町(葛飾区)まで、京葉線は葛西臨海公園(江戸川区)まで、埼京線は浮間舟渡(板橋区)までです。
京葉線は少しややこしくて、葛西臨海公園の次は舞浜。東京ディズニーリゾートの最寄り駅ですが、千葉県浦安市なので範囲外です。「東京都区内のきっぷで舞浜まで行ける」と思い込むと、改札で引っかかります。
常磐線も同様で、金町の次は松戸(千葉県)。埼京線は浮間舟渡の次が戸田公園(埼玉県)です。いずれも都県境をまたいだ瞬間に範囲外と覚えておけば、まず間違えません。総武快速線は新小岩、中央・総武線各駅停車なら小岩までが東京都区内です。
私鉄・地下鉄・りんかい線は23区内でも対象外
大前提として、この制度はJR線だけのルールです。23区内を走っていても、東京メトロ・都営地下鉄・京王・小田急・東急・京成・りんかい線などは一切関係ありません。
理由はシンプルで、特定都区市内制度はJRの旅客営業規則に基づく運賃計算の特例だから。他社の路線はJRの運賃表の外にあります。だから「東京都区内→大阪市内」のきっぷを持っていても、新宿から都営新宿線に乗れば別途運賃がかかります。
実用的なコツとしては、私鉄沿線に住んでいる人は「どこでJR線に乗り換えるか」を先に決めること。たとえば小田急沿線なら新宿でJRに乗り換えれば、そこから先は都区内のきっぷ1枚で東京駅まで行けます。乗り換え駅までの私鉄運賃だけを別に払えばOKです。
23区外なのに含まれる駅、23区内なのに要注意な駅
細かい話ですが、ゾーンの線引きは行政区画と完全一致ではありません。東京都区内の場合は西大井(品川区)や新日本橋・馬喰町(中央区)といった地下駅もきちんと含まれています。
逆のパターンとして有名なのが横浜市内で、川崎市にある川崎駅・尻手駅などが「横浜市内」に組み込まれています。神戸市内では、神戸市北区にあるのに神戸市内に含まれない駅もあります。ゾーンは「市域」ではなく「JRが決めた区間」と理解しておくのが安全です。
自分がいる駅が対象かどうかは、ホームの駅名標の端をよく見ると分かります。東京都区内の駅には小さく「区」、市内ゾーンの駅には「市」の文字が入っています。25年以上前から続く地味なサインで、知っている人だけが一発で判別できます。
知らないと数百円ソンする?”タダ乗り区間”を最大化する乗り方

制度の中身が分かったところで、次は使い倒す側の話です。ポイントは「ゾーンの端を使い切る」ことに尽きます。
行きは家から近い駅から乗る。それだけで数百円ぶん得する
結論はシンプルで、都区内のどの駅から乗っても運賃が同じなら、家から一番近い駅から乗るのが正解です。わざわざ東京駅まで別途運賃を払って出る必要はありません。
たとえば杉並区在住で新大阪へ行く場合、西荻窪から中央線に乗って東京駅で新幹線に乗り換えれば、西荻窪〜東京の24.5kmは追加運賃ゼロ。この区間を単独で買えば数百円かかりますから、そのぶん浮きます。
金町(葛飾区)や葛西臨海公園(江戸川区)、浮間舟渡(板橋区)といった端の駅ほど、この効果は大きくなります。朝の混雑を避けたいなら、始発が多い駅から乗ると座れる確率も上がるので一石二鳥です。
帰りも「都区内の最寄り駅まで」を1枚で乗り通す
帰りの発想も同じです。新大阪→東京都区内のきっぷなら、東京駅で降りずにそのまま在来線に乗り継いで、自宅最寄りの都区内の駅まで乗ってしまいましょう。
ここで大事なのが、東京駅でいったん改札を出ないこと。改札を出た時点できっぷは回収され、そこから先は別途運賃になります。乗り換え改札を通るぶんには問題ありませんが、駅ナカで買い物をしたくて出場するとアウトです。
買い物をしたいなら、改札内の店舗を使うのが鉄則。東京駅なら改札内にも駅弁売り場や土産物店が揃っているので、外に出る必要はほぼありません。
🎯 裏ワザ
帰宅ルートが都区内をぐるっと回るなら、Suicaの残額で別に払うより、都区内のきっぷを最後まで使い切るほうが安上がりです。逆に「東京駅に着いてから区内をあちこち回る」予定なら、都区内パス(2026年3月14日から870円)を1日券として買うほうが得になるケースもあります。
ゾーンに入る1駅手前で切ると安くなることもある
これは上級編ですが、あえてゾーンの外で降りたほうが運賃が下がるケースがあります。東京駅起点で距離を計算するため、実際の目的地よりも遠く計算されてしまう場合があるからです。
たとえば西から来て川崎方面で用事を済ませたいなら、東京都区内まで買わずに手前の駅までで切り、そこから先をICカードで乗ったほうが総額が安くなることがあります。営業キロが1kmでも運賃帯をまたぐと数百円変わるので、実際の金額は必ず運賃検索で比べてください。
同じ発想で、乗車券を途中で分割して買うと安くなる区間も存在します。こちらは自動計算してくれるサービスもあるので、長距離を頻繁に乗る人ほど効きます。

都区内パス870円との使い分けを覚えておく
東京に着いてから23区内を動き回るなら、JR東日本の「都区内パス」が候補になります。2026年3月14日から760円→870円に改定されましたが、東京都区内のJR普通列車が1日乗り放題です。
使い分けの目安は、都区内で3回以上乗り降りするなら都区内パス。1回の移動で終わるなら、遠距離きっぷを乗り通すだけで十分です。同じ改定で東京フリーきっぷは1,600円→1,720円、休日おでかけパスは2,720円→2,950円になりました。
注意したいのは、遠距離のきっぷを東京駅で打ち切って都区内パスに切り替えても、遠距離のきっぷ代は安くならないこと。あくまで「到着後に動き回るぶん」を賄う道具だと考えてください。
いちばん多い失敗は「途中下車できると思ってた」
ここからは落とし穴の話です。得する話より、こちらのほうが被害額は大きいかもしれません。
ゾーン内の駅で改札を出たら、きっぷはそこで終わり
結論を先に言うと、東京都区内・東京山手線内のゾーン内では途中下車できません。券面にも「東京都区内各駅下車前途無効」と印字されています。
なぜかというと、ゾーン内はもともと「1つの駅」として扱われているから。同じ駅で降りて再入場するのと同じ扱いになるため、そこできっぷの役目は終わります。JR東海の途中下車のルールページでも、特定都区市内発着の乗車券は同じゾーン内での途中下車ができないと明記されています。
ありがちな失敗が「新大阪から東京都区内のきっぷで帰る途中、品川で友人と会ってから東京駅へ向かおうとした」ケース。品川で改札を出た瞬間にきっぷは回収され、品川〜東京は別途払うことになります。用事があるなら、改札を出ない乗り換えだけで済ませるのが鉄則です。
⚠️ 注意点
改札を出ずに駅の外へ出られる「入場のまま」の抜け道はありません。有人改札で「途中下車したい」と申し出ても、東京都区内のきっぷではゾーン内では認められません。買い物・食事はすべて改札内で完結させてください。
ゾーンの外に出れば、101km以上のきっぷは途中下車できる
誤解しやすいのですが、途中下車が完全に禁止されているわけではありません。片道の営業キロが101km以上あれば、ゾーンの外の駅では途中下車できます(大都市近郊区間内だけを乗る場合などを除く)。
東京都区内→大阪市内のきっぷなら、途中の熱海・静岡・名古屋・京都といった駅で降りて、また同じきっぷで先へ進めます。有効期間内なら何度でもOK。これは長距離きっぷならではの特権です。
実用的な使い方としては、出張のついでに途中の街で1泊するパターン。東京から博多へ向かう途中で広島に寄る、といった旅程が1枚のきっぷで組めます。ダメなのはあくまで「券面に書かれたゾーンの中」だけ、と覚えてください。
有効期間は距離で決まる。552.6kmなら4日間
途中下車とセットで押さえたいのが有効期間です。片道乗車券の有効日数は営業キロで決まり、200kmまで2日、400kmまで3日、600kmまで4日、800kmまで5日、1000kmまで6日と伸びていきます(100kmまでは1日)。
東京〜新大阪は552.6kmなので4日間、東京〜仙台は351.8kmなので3日間が有効期間です。この日数の中なら、途中の駅で降りて泊まってから続きに乗れます。ただし後戻りはできず、進行方向へ進む前提です。
なお2026年3月13日をもって往復乗車券は発売終了となり、往復は片道券2枚を買う形になりました。有効期間の数え方も含めて、こちらの記事で詳しくまとめています。

「往復の乗車券って、何日まで使えるんだっけ?」——旅行の計画を立てていて、ふと手が止まった人は多いと思います。しかも2026年に入ってから、この話はもっとややこ…
範囲外まで乗ってしまったときの精算のしかた
吉祥寺や川崎まで乗り越してしまった場合は、はみ出した区間の運賃を別途払えば大丈夫です。改札を出るときに自動精算機か有人改札で精算します。
計算の考え方は「ゾーンの境界駅から乗り越し先まで」。中央線で吉祥寺まで乗ったなら、西荻窪〜吉祥寺ぶんの運賃を払う形になります。距離が短いので数百円で済むことがほとんどです。
ありがちなのが、Suicaでタッチして入ってしまい、紙のきっぷと二重に払ってしまうケース。都区内のきっぷを持っているときは、Suicaで改札に触れないのが鉄則です。乗り越し精算の詳しい手順はこちらでまとめています。
ネット予約だと”区内タダ乗り”が消える理由
ここ数年でいちばん増えている勘違いが、これです。同じ「東京〜新大阪」でも、買い方によってゾーンの特典が付いたり付かなかったりします。
新幹線eチケット・EXサービスには特定都区市内制度が付かない
結論から言うと、スマートEX・エクスプレス予約(EXサービス)と新幹線eチケットサービスには、東京都区内などの特定都区市内制度が適用されません。これらは新幹線の区間だけをカバーする商品だからです。
理由は商品の作りにあります。EXサービスは乗車券と特急券が一体になった専用商品で、価格も独自に設定されています。新幹線eチケットも、乗車券部分は新幹線の乗降駅どうしの扱いです。スマートEXの商品一覧にも、在来線を使う場合は別途運賃が必要と明記されています。
つまり西荻窪から東京駅まで乗る在来線ぶんは、Suicaなどで別に払うことになります。この在来線ぶんを足すと、窓口で買う紙のきっぷより総額が高くなるケースがあるのが要注意ポイントです。
紙のきっぷとネット予約、どちらが安いかは在来線しだい
判断基準はシンプルで、都区内の端の駅から乗るなら紙のきっぷ、東京駅・品川駅から乗るならネット予約が有利になりやすい、と覚えておけば大きく外しません。
🔵 紙のきっぷ(窓口・券売機)
東京都区内が適用され、区内の在来線は追加運賃なし。途中下車も区外なら可能。西荻窪・金町・蒲田など端の駅から乗る人に向く。
🟠 eチケット・EXサービス
都区内は適用外で在来線は別払い。そのぶん割引価格や座席変更の自由度が高い。東京駅・品川駅から乗る人に向く。
迷ったら、EXサービスの運賃ナビやえきねっとの新幹線eチケットサービスのページで、在来線ぶんを足した総額を出して比べるのが確実です。数百円の差でも往復すれば倍になります。
「ICカードで新幹線に乗れる」と思って改札で止まる人が多い
もうひとつの定番失敗が、SuicaやPASMOの残額だけで新幹線改札を通ろうとするパターンです。在来線用のICカードは、そのままでは新幹線の改札を通れません。
新幹線をICカードで乗るには、スマートEXや新幹線eチケットで予約し、ICカードを事前に紐づけておく必要があります。この登録をしていないと、改札のランプが赤くなって止められます。
紙のきっぷ派なら、この心配はありません。乗車券と特急券の2枚を重ねて改札に入れるだけ。東京都区内の在来線改札はきっぷ1枚で通り、新幹線乗り換え改札で特急券を重ねる、という流れになります。
2026年3月の運賃改定で変わった3つのこと
2026年3月14日購入分から、JR東日本の運賃制度が大きく変わりました。東京都区内に関わる部分だけ、要点を絞って整理します。
「電車特定区間」「山手線内運賃」の割安区分が廃止された
最大の変更は、首都圏だけに設定されていた割安運賃区分の廃止です。「電車特定区間」と「山手線内」の運賃表がなくなり、全国標準の「幹線」運賃に統合されました。
この結果、山手線の中だけを乗る場合はおよそ20%、東京周辺だけを乗る場合はおよそ10%の値上げになっています。東京〜新宿・東京〜池袋は208円→253円、東京〜横浜は483円→528円といった具合です。
ここでいう「山手線内運賃」の廃止は、運賃表の区分がなくなったという話です。遠距離きっぷに付く「東京山手線内」の特例(100km超200km以下)とは別物で、こちらは改定後も引き続き使えます。名前が似ているので混同に注意してください。
東海道新幹線と在来線が”別の線路”になった
2つめが、東京〜熱海間の扱いです。これまで東海道新幹線と東海道本線(在来線)は同じ線路として運賃計算していましたが、改定後は運賃が異なるため別の線路として扱うようになりました。普通乗車券も新幹線経由と在来線経由で分けて発売されます。
東京都区内・東京山手線内の制度自体は改定後も続きます。ただし品川駅以遠(新横浜方面)を東海道新幹線で利用する場合は、東京〜品川間を新幹線経由で計算し、それ以外は在来線経由で計算するというルールが加わりました。
実務上は、券売機や窓口が経路に合わせて自動的に処理してくれます。利用者側で気をつけるのは、新幹線経由で買ったきっぷで在来線に乗れない区間があるという点です。詳細はJR東日本の運賃改定特設サイトで確認できます。
横浜市内は「中心駅が2つ」という前例のない形に
意外と知られていないのが、横浜市内の変更です。同じ改定で横浜駅に加えて新横浜駅も中心駅に指定されました。中心駅は1都市1か所という長年の原則に、初めて例外ができた形です。
背景には、東海道新幹線と在来線の別線化があります。新横浜を通る新幹線と、横浜駅を通る在来線で運賃計算の基準がズレるため、経路によって中心駅を使い分ける必要が生じました。
東京都区内は中心駅が東京駅のまま変わっていません。ただし「東京都区内→横浜市内」のようなきっぷを買うときは、経路によって運賃が変わる可能性があるので、券面の経由欄を確認する習慣をつけておくと安心です。
区間別の運賃早見表と、シーン別の使い分け
最後に、実際の数字で全体像をつかんでおきましょう。以下はガタンゴトン研究所調べの独自比較データです。
主要区間の運賃・営業キロ・券面表示を一覧で比較
東京駅を起点にした主要区間を、営業キロ・片道乗車券・券面表示・有効期間で並べました。運賃はいずれも大人の片道で、特急券は含みません。
| 区間 | 営業キロ | 片道乗車券 | 券面表示/有効期間 |
|---|---|---|---|
| 東京〜高崎 | 105.0km | 2,090円 | 東京山手線内/2日 |
| 東京〜仙台 | 351.8km | 6,270円 | 東京都区内→仙台市内/3日 |
| 東京〜名古屋 | 366.0km | 6,380円 | 東京都区内→名古屋市内/3日 |
| 東京〜新大阪 | 552.6km | 8,910円 | 東京都区内→大阪市内/4日 |
高崎だけが「東京山手線内」になっているのは、105.0kmで200km以下だからです。この表を見ると、200kmの壁を越えた瞬間にゾーンが山手線内から23区全体へ一気に広がるのがよく分かります。
出張・家族旅行・週末旅、シーン別の最適解
使い方は目的によって変わります。単身の出張なら東京駅・品川駅発でネット予約、家族連れや荷物が多い旅行なら紙のきっぷが基本形です。
平日朝の出張は、東京駅の新幹線改札が最も混みます。都区内の端の駅から在来線で向かうなら、余裕を見て30分前には東京駅に着いておくと安心。逆に夜の帰宅便は20時台を過ぎると在来線が空いてくるので、乗り継ぎもラクになります。
家族旅行なら、紙のきっぷで都区内のゾーンを使い切るほうが、人数ぶんの在来線運賃が浮きます。4人家族で片道200円ずつ浮けば往復1,600円。人数が多いほど紙のきっぷの優位が効いてくるのがポイントです。
券面が「東京」だけになることがある理由
最後にマニアックな話をひとつ。201km以上あるのに、券面が「東京都区内」ではなく「東京」と単独の駅名になることがあります。これは単駅指定と呼ばれる扱いです。
旅客営業規則第86条のただし書きにより、ゾーンをいったん出てから再び同じゾーンに戻る経路や、ゾーンを通過してからまた戻る経路では、特定都区市内制度が適用されません。ぐるっと大回りするような経路を組んだときに起こります。
まとめ:東京都区内は「23区のJR全駅がひとつの駅」になる仕組み
あらためて整理すると、「東京都区内」は23区内のJR駅をまとめてひとつの駅として扱う運賃計算のルールです。東京駅から片道201km以上の区間で自動的に適用され、100km超200km以下なら「東京山手線内」という一回り小さいゾーンになります。運賃は実際に乗る駅ではなく、常に東京駅からの営業キロで計算されます。
おトクに使うコツは、家から一番近い都区内の駅から乗り、帰りも都区内の最寄り駅まで乗り通すこと。西荻窪・金町・蒲田・葛西臨海公園・浮間舟渡といった端の駅を使えば、その区間は追加運賃なしで乗れます。一方で、ゾーン内では途中下車できないという制約は絶対に忘れないでください。品川で改札を出た瞬間に、そのきっぷは終わりです。
📝 ポイントまとめ
- 中心駅は東京駅。実際の乗車駅は運賃に影響しない
- 範囲は23区内のJR線。私鉄・地下鉄・りんかい線は対象外
- 吉祥寺・舞浜・川口・戸田公園・松戸は範囲外(都県境で終わり)
- ゾーン内は途中下車不可。ゾーン外なら101km以上で途中下車できる
- 有効期間は552.6kmで4日、351.8kmで3日
- eチケット・EXサービスには適用されず、在来線は別途運賃
- 都区内で3回以上乗り降りするなら都区内パス870円も検討
次にやることはシンプルです。まずは自分の最寄り駅が東京都区内に入っているか、ホームの駅名標の端に「区」の文字があるかを確かめてみてください。入っていれば、次の出張や旅行では窓口や券売機で紙のきっぷを買い、その駅から乗るだけで数百円ぶんの在来線運賃が浮きます。あわせて、eチケットで予約する予定がある人は、在来線ぶんを足した総額を紙のきっぷと比べてから決めるのがおすすめです。
※運賃・制度は改定される場合があります。ご利用前に各鉄道会社の公式サイトで最新情報をご確認ください。

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